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車を売ろうとしているのであれば、できるだけ高く買い取ってもらいたいと思うものです。付いているオプションによっても、査定額は変わってきます。
買取り査定時に有利になるオプション、またそうでもないオプションはどのようなものなのでしょう。詳しく解説していきますので、これから車を売ろうとしている方、また車にオプションをつけるかどうかで迷っている方は、参考にしてください。
車のオプションとは?
車のオプションとは、ボディやエンジンなどの車の基本的なパーツ以外の、追加費用で選ぶことができる装備品のことです。オプションは「アクセサリー」と呼ばれることもあります。
ものによって金額は様々で、高級車のオプションの場合には新車が買えるほどの価格になっていることがあります。
オプションには種類が3つあります。
- メーカーで取りつける「メーカーオプション」
- 代理店や販売店で取りつける「ディーラーオプション」
- 自分の所有している車のメーカーや関連しているメーカー以外の会社で作られた「社外オプション」
ちなみに「純正」と呼ばれるのは、メーカーオプションとディーラーオプションのことになります。
ここからは、この3種類のオプションについて詳しく説明していきます。
メーカーオプションとは、製造メーカーが車に取りつけるオプションのことです。
ボディへの加工などが必要であり手間がかかるため、工場で車を製造する工程で組み込まれます。そのため、発注後のキャンセルや納車後の後付けが難しいオプションが多いです。
該当する主なオプションは安全装置、サンルーフ、ヘッドライト、スライドドア、追加のエアバッグ、本革などの特別なシートが挙げられます。
ディーラーオプションとは、その名の通り代理店や販売店などディーラーで取りつけるオプションのことです。
メーカーオプションとの違いは、納車後の後付けや取り外しが可能であることでしょう。
主なオプションとしてはアルミホイール、オーディオ、シートカバー、フロアマット、エアロパーツなどが挙げられます。
ただし、車によって取りつけることが困難なものもあるため、事前にディーラーに確認することが必要です。
社外オプションとは、車のメーカーや関連しているメーカー以外で作られたオプションのことです。整備工場やカー用品店で購入できるものが該当します。
メーカーオプションやディーラーオプションと比べ安価であること、また好きな時につけたり外したりすることができるのが特徴です。
社外品といっても純正の部品と同じ仕様で、純正の部品を製造している工場が生産していることも少なくありません。そのため、品質はそれほど純正品と変わらないことが多いでしょう。
買取り査定時に有利なオプションとは?
買取り査定時に有利になるオプションは一般的に、メーカーオプションやディーラーオプションのような、純正のものが好まれています。
特にメーカーオプションの場合、新車時にしか取りつけられないものもあるため、希少価値が高く、査定時に有利になるでしょう。
また、安心感や信頼性、デザインが統一されているという観点からも、純正のオプションは人気があります。
人気があるということは中古車販売店としては車を売りやすいということでもあり、その分査定価格も上がると言えます。
現在、社外オプションをつけている方は、純正オプションのほうが好まれるからと査定前に取り換えることを考えるかもしれません。
しかし、今の状態で査定を受けてみるのも、一つの手です。査定を受けた後、純正オプションに交換した場合に査定額が変わってくるかどうかを聞いてみることができます。
査定額が高くなるのであれば純正オプションに交換して売り、社外オプションは単体でネットオークションなどに出品することができるかもしれません。
それほど変わらないのであれば、単体で売る際に純正オプションと社外オプション、どちらのほうが高値になるかを確認し、安いほうを車に取りつけて売ることができるでしょう。
買取り査定時にプラス評価になるオプションとは?
純正のオプションが査定時に有利になると説明しましたが、具体的にどのような装備がついていると査定額アップが期待できるのでしょう?
プラスの評価になることが期待される装備をいくつか紹介します。
車体の色にそれほどこだわっていない場合には、人気の高い色を選んでおくと、後々査定の際にプラスの評価が期待できます。
多くの方に好まれるカラーは、「白」「黒」「シルバー」です。
使用者の年齢を問わない色であり、個人でも法人でも使用可能であるため、多くの人に選ばれやすいです。
ただし、黒系は傷がつくと目立ちやすいため、特に洗車の際には注意が必要になります。傷の元となりうる砂やほこりを払ってから洗いましょう。
その他には、「パールホワイト」も査定額のアップが期待できます。パールホワイトは新車で購入する際に有料となっていますが、車を売る際の査定額アップを見据えて、あえてこの色を選ぶのも一つの方法です。
革のシートは新車で購入した際に後付けのできないオプションであり、査定時にプラス評価が期待できます。高級感のある豪華な見た目であり、使用時の満足感が高まるからです。
ただし、車の外と中のデザインがちぐはぐであったり、奇抜であったりすると、査定額のアップを期待することは難しくなります。
また、革と布のハーフになっているシートも同様にあまり査定額は上がらないとされています。
査定額をアップさせたいのであれば、外装と内装が調和しており、落ち着いたデザインであることが重要です。そのような意味で、シートの色は茶や黒を選んでおくことがおすすめです。
安全装備は事故の防止にある程度有効なものであり、自分が車に乗る際の安心を高めてくれます。それだけでなく後付けができないオプションであるため、車を売る際の査定額アップにもつながります。
安全装備の一つに自動ブレーキがあります。正式名称は「衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)」「先進緊急ブレーキ」です。これは、運転者のブレーキが遅れたとしても、歩行者などとの衝突を察知した車が自動的にブレーキをかけ、停止または減速してくれる装置です。
他にも、「レーンキーピングアシスト(LKA)」もあります。これは、高速道路など白線や黄線の整備された道路を高速で走行している車が車線からはみ出すことのないよう、道路の線をカメラが認識し電動パワーステアリングを制御するものです。
また、「レーダークルーズコントロール(DRCC)」も挙げられるでしょう。これは、高速道路などを走行している際に、自分でアクセルを踏まずとも設定した一定の車速を維持してくれます。それだけではなく、前の車に追いついてしまった時には安全な車間距離を取りながらも、前の車の速度に合わせて走ってくれます。
どの安全装備も運転者をサポートし、より安全に車を走行できるので中古車としても需要があり、プラス評価が期待できるでしょう。
電動装備ががついている車も、査定時にはプラスの評価が期待できます。
電動装備の一つは、ミニバンに取りつけることのできる「電動スライドドア」です。
ミニバンのドアはお年寄りや子どもだけでなく、両手が赤ちゃんや買い物の荷物でふさがっている際には開けにくいものです。電動スライドドアがあれば、開閉が大変簡単なだけでなく、駐車場が狭い時にも隣の車にドアをぶつける心配がありません。
片側だけの場合よりも両側とも電動スライドドアのほうが、査定額はアップします。
また、もし標準のグレードにスライドドアがなく、上級のグレードの場合だけ標準装備となっている場合には特に査定額がアップすることでしょう。
サンルーフも査定額アップにつながります。
査定の基準は一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)がベースを作成していますが、その基準の中ではサンルーフがついているとプラスの評価となっています。
また、サンルーフは後付けができないこと、ちょっとした高級感や開けた時の解放感から人気があるため、その点からも査定額が上がるでしょう。
エアロパーツとは、冷却性能のアップ、空気抵抗の軽減による燃費の向上、ドレスアップなどを目的として取りつけるものです。
主なエアロパーツは以下の3種類です。
①フロントスポイラー
エンジンを冷却し、車体の浮き上がりを抑えるためのものです。
②サイドスカート
走行時の安定性をアップするためのもので、車体の両サイドにつけます。車高が低く見えることから、ドレスアップ効果もあるでしょう。
③リアスポイラー
燃費を高めるためのもので、車体の後方上部に取りつけます。
フロント、両サイド、リアがすべて揃った状態ならば、大きくプラス評価となることが期待できます。しかし、一部かけていたり傷がついていたりする場合は、その分がマイナスされるでしょう。
また、純正であることもプラスとなるポイントです。
買取り査定時にプラス評価になる場合、ならない場合があるオプションとは?
最新なのかそうでないのかなどの理由で、査定額が変わってくるオプションもあります。査定額アップを期待していたのに予想が外れると、がっかりするものです。
下記で、査定額が変わりやすいオプションをいくつか例を挙げて紹介していきます。予め知っておくと、査定額が思ったより低くなるといったことを避けることができるでしょう。
ドライブレコーダーは、事故の証拠にもなることから人気があります。そのため、査定時に有利になる可能性は高く、前後の録画ができるものであれば特にプラスの評価が期待できると言えるでしょう。
しかし、それほど性能の良くないものであれば査定額に影響しない場合もあります。
また、高価なドライブレコーダーの場合、車とセットではなく単品で売ったほうが高値がつく場合もあるので、リサイクルショップやオークション、フリマサイトなどで予め確認しておくことをおすすめします。
アルミホイールは、ものの状態と場合によって査定額が変わってきます。デザインの流行り廃りがあるため、新しいデザインのものや人気のホイールであればプラスの評価になるかもしれませんが、古い場合には期待できないでしょう。
JWL(国土交通省によって定められた基準をクリアしていることを自主認定)、VIA(基準をクリアしていることを第三者試験機関で登録)マークがついており、腐食も傷もなく4本セットの場合であれば、査定額のアップが見込めます。
高額の社外アルミホイールの場合、査定する側に知識がないケースもあり、そうなると正しく評価してもらえないこともあるため注意が必要です。場合によっては、車と別で売ったほうが高値がつくかもしれません。
タイヤについては査定額のアップをあまり期待しないほうが良いと言えます。5mm以上の溝があり、新品に近い状態なら、多少プラス評価となることもあります。
しかし、溝の浅いタイヤと比較しても、それほど大きく査定額が変わるわけではありません。そのため、タイヤが古いからと査定前に新しいタイヤに交換するとかえって損をすることになるでしょう。そのままにしておくのが懸命です。
オーディオも、買取り査定時のプラス評価を期待できるケースが少ないオプションです。新しい純正オーディオや、純正でなおかつ高級メーカーのオーディオであれば査定額のアップが見込めます。
しかし、いくら音が良くても社外のオーディオであったり、また純正オーディオでも5年以上経過している古いものだったりする場合は査定額に影響しません。
査定額が上がるオーディオは少ないと考えておくのが良いでしょう。
カーナビも、査定額がアップするかどうかはものによって決まります。
付けたり外したりが簡単に行えるポータブルナビについては、査定額のアップは期待できません。なぜなら、一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)の査定基準では、容易に脱着ができないカーナビ以外は査定額アップの対象外とされているからです。
ポータブルではないカーナビの場合、純正オプションでも社外オプションでもプラスの評価が期待できます。しかし、社外オプションの場合には車と一緒に売るよりも、取り外して単品で売ったほうが高値がつくことがあるため確認しましょう。
純正オプションの場合には、取り外したとしても他で使えないことも多いです。むしろ取り外すと数万円単位の減額になることすらあるので、付けたまま査定を受けることをおすすめします。
ETCが付いていて査定額アップが見込めるのは、最新機種である場合くらいです。しかし、それほど大きな金額アップにはつながりません。
量販店などでも安価で手に入れることができるため、最新ではないETCが付いていても査定額には影響せず、ETCがない場合と比べてもさほど変わらないでしょう。
買取り査定時のプラス評価が期待できないオプションとは?
オプションの中には、買取り査定時のプラス評価の望みが薄いオプションもあることは事実です。
ここからは、査定額のアップが期待できないオプションをいくつか挙げていきます。
エアコンが標準装備となっていない車は今時珍しいでしょう。付いているのが当たり前であるため、プラスの査定は期待できないと言えます。
エアコンが故障している場合、査定時にマイナス評価になります。しかし、正常なエアコンでの査定額よりも修理代のほうが高くついてしまうため、修理をせずに売ってしまうのが懸命です。
エアコンが故障している際に注意すべき点は、必ず故障していることを業者に伝えるということです。後になって損害賠償を請求されるなど、責任を問われる可能性があります。
減額を避けようと故障を隠すことはしないようにしましょう。
チャイルドシートも買取り査定時、プラス評価になることはないでしょう。
必要な年齢の子どもがいなければ使用しませんし、子どもの安全を考え、どこか部品が劣化しているかもしれない中古品を使おうとは思わない方も多いです。そのため、査定時には取り外しておいたほうが無難と言えます。
不要なチャイルドシートは車とセットではなく、単品でリサイクルショップなどに売りましょう。
スペアキーもエアコンと同様、あって当たり前と考えられるものです。あったからといってプラス評価はあまり期待できませんが、もしスペアキーがない場合にはマイナス評価となり、数万円の減額になる可能性があります。
査定前に気をつけること
今の車から次の車でも使おうと考えているオプションについては、査定の前に忘れずに取り外しておくようにしてください。ただし、取り外しの際は車を傷つけないよう注意する必要があります。
また、査定前には少しでも高い額で査定してもらえるよう、保証書や取扱説明書が揃っているかを確認し、車の中と外をできるだけ綺麗に掃除しておくようにしましょう。