車を売りたいときは、車の買取り査定のポイントを知って少しでも高く売りましょう。
買取り査定には統一の基準があります。この記事では、買取り査定で見るポイントを詳しく解説するので、売りたい車が基準をクリアしているかチェックしてみてください。
また、査定額アップを狙う方法についても紹介していきます。
車を売る覚悟をして買取り査定に出そう
車を本当に売りたいと思って査定に出すと、その気持ちが査定士にも伝わって本気の査定額を提示してもらえます。
逆に車は売りたいものの今すぐでなくてもいい…と思って査定を受けると、同じく査定士に伝わってしまうものです。すると、大まかな金額の提示にとどまり、査定額アップの交渉は難しいでしょう。その結果、売却を諦めることになるかもしれません。
そのため、「本当に車を売りたい、しかし大切な車なので納得のいく額を出して欲しい」と覚悟を決めて査定を受けましょう。
しかし、本気で買取り査定を受けても、中古車の買取相場を知らないままでは安く買い取られる可能性があります。きちんとした価格で売りたい場合、覚悟を固めるだけでなく知識を学んでおくと交渉の場で役に立ちます。
買取り査定で見るポイント
中古車の買取りを行う査定士は、どのようなポイントを見て査定額を決めているのでしょう?
車そのものから必要書類まで、一つずつ解説していきます。できるだけ車の状態を良くしてから査定を受けるのがおすすめです。
車種やグレード
査定では車種やグレードを見て、その車の需要が高いかどうかをチェックします。同じ車種でも装備や排気量などでランクが分かれるため、査定額の基礎を確かめるポイントとなります。
車種は、時期によって人気になるモデルがあり、そのモデルに当てはまると査定額アップを期待できます。
グレードは、年式が新しい車ほど高く売れやすく、グレードも高ければさらに高値がつくでしょう。
車種とグレードにより中古車の需要はさまざまで、人気の車種かつグレードの高い車は査定額アップを期待できます。
ただし、車種やグレードは時代の変化によって価値が変わるため、買取相場を把握して売り時を見極めることが重要です。
また、車種とグレードに加えて人気のあるカラーの車だと、プラス査定になる可能性が高いです。
外装
車の外装に傷があると査定額に大きく影響するため、査定へ出す前に状態を確認しましょう。カギをこすってついたような小さな傷も、査定額を左右します。
ここからは、車の外装のそれぞれの査定ポイントについて紹介します。
車のボディ前面をフロントといいます。事故を起こすと最も傷がつきやすく目立つ部分です。
ヘッドライトを確認し、左右で状態にズレや色味の違いがあると事故の可能性を疑われます。これは、損傷したヘッドライトユニットを交換しているとみなされるためです。
セダン・ステーションワゴンの場合は、エンジンルームを開けて上下の先端にある骨格部分が歪んでいないかをチェックします。
車のボディ後面をリアといいます。フロントと同じく、事故の履歴が残りやすい部分です。
査定士はバンパー内側の骨格部品まで凹んでいないかを確かめ、必要に応じてトランクのフロアカーペットをはぎとり、再塗装されていないかを見ます。
トランクフロアを交換した履歴があると大きな事故があったといえるため、評価は大きくマイナスとなります。
ルーフは車の屋根の部分で、車がどのように保管していたかが現れるところです。
ガレージの中やカーポートの下で保管した車、カバーをかけてあった車は、雨風を避けられるため年式に対してルーフはきれいに保たれているでしょう。
サンルーフ・ムーンルーフの動作確認もチェック項目です。ルーフを含む外装のきれいな車は、車を大切に乗ってきたことが伝わるため査定額が上がりやすくなります。
タイヤの溝やホイールの状態は目視で確認しやすいため、査定士は特に詳しく見ます。
タイヤが使い込んであり、溝が基準よりも低い、ブレーキが効きにくい車は、マイナス評価になりやすいです。
タイヤにスリップサインが出たままでは法令違反になり、車検も通りません。業者は買い取ったあとタイヤ交換をする分、査定額を引き下げます。
マフラーなどのパーツも評価対象です。パーツを全体的に見て、凹みや傷がある・オイルがしみている・サビがあるなどもマイナス査定となります。
内装
車内の座席シート・フロアマット・トランクルームなどの内装に汚れがないかもチェックします。
汚れがひどく交換の必要があると、その分査定額からマイナスになる可能性があります。
汚れだけでなくニオイも査定額が下がる要因の一つです。タバコやペットのニオイを嫌がる購入者は多いため、査定額に影響しやすくなります。
ペットを乗せた回数が多いほど、細かい毛が落ちたり、尿などがしみついたりしている可能性が高いため、減額対象となるでしょう。
エンジンまわりの状態
エンジンは車の走行に重要な部分なので、エンジンに故障がない・エンジンから異音がしない・オイルもれがない・バッテリー上がりがないかを念入りにチェックします。
故障や劣化があると査定額が大きく下がりやすいですが、定期的にオイルやバッテリー交換を行ってエンジンの状態も良ければ、プラス査定を期待できるでしょう。
エンジンルーム内にある車体番号もチェックするので、改ざんなどがある場合は買い取り自体が不可となることもあります。
走行距離
車の年式に対して、走行距離が目安の距離かどうかも査定するポイントです。
走行距離は、初年度登録から1年経つごとに1万kmが目安とされています。4年落ちの車だと4万km程度までの走行距離であれば大きな減額はありません。
4年落ちの車で走行距離が5万km、10万kmを越えると大幅に減額となる可能性があります。4年落ちの車で走行距離が4万kmを超えていれば、早めに売却したほうが高く売れるでしょう。
走行距離は車の寿命を表し、その寿命は10万kmが目安とされます。そのため、10万kmを超える前に車は売ったほうが高く買い取ってくれる可能性があります。
日本製の車は質が高く、10万kmを超えても走る場合が多いものの、買い取ってもらえる可能性は10万kmを境に難しくなっていきます。
中古車需要のある走行距離は5万km以下とされていて、5年落ち5万km未満が買取可能な目安です。
純正パーツ
純正パーツは、その車のためにつくられたパーツです。車内のインテリアデザインまで考えられておりバランスが良く、査定額アップを期待できます。
一方、自分好みの社外品へパーツを交換していると買い手がつきにくく、その分査定額は下がる傾向にあります。
中古車の購入者は、純正パーツが揃った車を好むことが多いため、社外品へカスタマイズしていない車のほうが需要があり、査定額は上がりやすいです。
オプション
オプションには、純正オプション・ディーラーオプション・社外オプションの3種類があります。
この種類によって買取額アップが期待できるものがあるので、それぞれのオプションについて説明していきます。
メーカーオプションとは、車メーカーの工場で取りつけ可能なオプションのことで、新車をディーラーへ納車する前につけます。サンルーフやヘッドライト、本革仕様のシートなどがあります。
購入後に取りつけられないため高く評価されますし、中古車の購入者からも需要が高いです。
メーカーオプションは、デザインの統一感があって見た目が良いです。その車の実用面での連動がスムーズな点も査定額アップが期待できます。
査定時は見落とされないよう、メーカーオプションがあることをアピールしましょう。
ディーラーオプションは、納車の際にディーラーでつけるタイプですが、納車後でも取りつけが可能です。そして、オプションによっては同じメーカーでも一部車両につけられないものもあります。
フロアマット・シートカバー・アルミホイールなどが挙げられます。これらは納車後でもつけられるため、メーカーオプションよりは価値が下がることが多いです。
社外オプションは、購入車のメーカーの工場やディーラー以外で取りつけるタイプです。カー用品店などで購入し気軽に取りつけができ、自分好みにカスタマイズできます。
持ち主の好みを反映するため、次の買い手の幅が狭まりやすくなります。そのため、純正オプションに戻してから査定をしてもらうのがおすすめです。
しかし、交換には工賃がかかるため、いったん社外オプションのままで査定を受け、純正に戻した場合の買取額を聞いてから交換することを検討したほうがいいでしょう。
必要書類
車の買取り査定では、必要書類も持参しましょう。
必要書類は、車検証・自賠責保険証・リサイクル券・定期点検整備記録簿(メンテナンスノート)・取扱説明書です。
車検証は、新車登録時期・車検の有効期間・車体番号・所有者などの情報が載っており、査定の際に必要となります。
整備記録簿は、なくても問題ないですが、過去のメンテナンスをしっかり受けて大切に乗ってきた証明になるので、持参すると査定額が上がる可能性があります。
買取り査定に出すときの注意点
車を少しでも高く売りたい場合、「やるべきこと」と「やってはいけないこと」があります。
以下では、その3つの注意点を紹介します。
売りたい車を定期点検整備記録簿と一緒に査定に出すと、過去の修理歴が載っているので誤魔化しようがありません。しかし、定期点検整備記録簿を出すことで、きちんとメンテナンスをしていたという証明にもなります。
業者へ修理に出すほどではない浅い傷など自分で修理した部分があれば、査定前に申告しておきましょう。
査定士によって査定の知識や技術はそれぞれで異なるため、小さな修理跡を見つける人もいれば見逃してしまう人もいます。後から査定額が変化しないよう、修理歴は事前に伝えておくのが賢明です。
前述しましたが、走行距離が長い車ほど買取額は下がりやすくなります。そのため、売却を考えたときは早めに買取り査定を受けましょう。
しかし、走行距離が短い車であっても、乗らない期間が長いと査定額が下がる場合があります。車は乗らないとバッテリーの劣化やガソリンのヘドロ化などがおきやすく、故障や不具合の原因になるためです。
頻繁に乗らない車でもたまには乗るようにして、故障や不具合を防ぎましょう。
査定前に車のボディなどをチェックして傷や凹みがあった場合、工場へ出して修理することは控えましょう。修理してきれいな状態にしても、修理代より査定額が上がる可能性は低いからです。
小さく浅い傷程度は自分で簡単な修理ができますが、深く傷がついていると業者への依頼が必要です。しかし、修理せずそのまま買取り査定を受けても、マイナス評価にはなるものの実際の修理代分が引かれるわけではありません。
少しでも高く売りたい場合、修理はせずに、そのまま査定を受けることをおすすめします。
買取額アップのためにできること
車を査定へ出す前や査定時にひと手間かけると、査定額アップが期待できます。
自宅で、または空いた時間を使って自分でできる買取額アップの方法を4つ紹介します。
査定に出す前に、車の外装は掃除してきれいな状態にしておきましょう。きれいに手入れされた車は「大切に乗ったもの」として判断されるため、プラス査定になる可能性があります。
ボディが汚れたままでは細かい傷などのチェックができず、正確な査定額の算出が難しくなることもあります。プロによる本格的な洗車ではなく、ガソリンスタンドの洗車機を使えば十分です。
内装もきれいにしておくことで、査定士の心象を良くすることができます。特に座席シートやフロアマットはきれいにしてから査定を受けましょう。査定士はこの2つの汚れを重点的にチェックしており、交換が必要なほどの汚れがあると査定額が下がってしまいます。
ハンドル・シフトノブ・ドアハンドルについた乾拭きで落ちにくい汚れは、ウェットシートでふきとります。
座席シートやフロアマットのゴミは掃除機を念入りにかけて吸いとりましょう。座席シートのすきまはゴミがたまりやすいので、シートを倒すなどしてできるだけきれいにしてください。
車種やグレードなどにより買取額は変わるため、売りたい車はいくらくらいが相場かを知っておきましょう。
複数の業者で査定を受けると買取相場は分かりますが、毎回査定を受けるには手間がかかります。そのため、インターネットで車の買取相場情報を集め、把握してから査定を受けるのがおすすめです。
業者の中には相場を大きく下回る買取額を提示するところもあります。また、相場はそのときの需要や人気のオプションなどによって変わりますし、車の状態でさらに変化します。
あくまで買取相場は目安ととらえて、実際の査定を受けましょう。
査定金額を提示され疑問がある場合は、そのままにせず正直に尋ねましょう。内訳は専門的な内容もあり、わからない部分があって当然です。金額に納得して車を売るためにも、気になる部分は全て確認しておきましょう。
可能であれば、事前に車の売却に関する言葉の知識を学んだあとで査定を受けると意味がわかりやすくなるため、自分に必要な質問ができるでしょう。
査定額を上げるためのアピール方法
車を査定に出すとき、車そのものの手入れや付属品を揃える以外にも買取額を上げられる方法があります。
査定を担当する査定士との会話で、自分の車をどれだけアピールできるかが重要となります。そこで、車をアピールするためのポイントを2つ紹介します。
車を大切に乗ってきたと査定士へアピールするには、「ガレージやカーポートで車を保管していた」「乗らないときはカバーを車にかけていた」などを伝えてください。
傷などがなく、掃除の行き届いたきれいな状態の車は、説得力が増すでしょう。汚れだけでなく車内のニオイもポイントとなるため、タバコやペットなどのニオイがしみついていない、クリーンな状態で査定を受けることをおすすめします。
また、必要書類が揃っており、メンテナンスを定期的に受けた記録は大切に乗ってきた証拠になります。オーナーのマメさがアピールできると、査定額アップを期待できるでしょう。
修理歴や事故の有無は、黙っていても車を直接見た査定士には、バレてしまいます。修理をしたにも関わらず、していないと嘘をついても、査定士はプロなので見破られてしまいますし、印象が悪くなるだけです。
買取り査定では嘘をつかず、聞かれたことは正直に答えましょう。修理に出すほどではない不具合がある場合、買取額は下がる可能性があるものの事前に伝えたほうがトラブルを避けられます。
もし嘘をついてバレた場合、査定士は「他にも嘘があるのでは?」と疑う可能性があります。すると査定額が全体的に抑えられることもあるため、正直に車の状態を伝えましょう。