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乗らなくなった車を高く売るには、何社くらいに買取査定を受けるべきなのでしょうか?
買取りの査定額は業者によって異なるため、査定を1社受けただけで決めると後悔することになるかもしれません。
この記事では、買取査定が1社だけではダメな理由から、査定方法の選び方、買取相場の調べ方について紹介します。
少しでも高く売りたいときに役立つ査定士との交渉術も解説するので、いざというときに活用してください。
車を売る方法とは?
車を売るには、個人間のオークションなどでの売買、新しい車を買うディーラーでの下取り、買取業者へ売るといった方法があります。
それぞれの方法について説明していきますが、できるだけ高く愛車を売りたい場合は買取業者の査定を受けるのがおすすめです。
個人間での売買は、専門業者を通さない分、手に入るお金は増えるかもしれませんが手間もかかります。相手にも手続きを行ってもらう必要があるので、専門的な知識がないまま取引きをするとトラブルを招きかねないため注意が必要です。
ディーラーでの下取りは、新しい車への買い替え時に行うと手間がかからず便利な方法です。しかし、買取業者に売る場合と比較して査定額が安くなることが多いです。
買取業者は専門知識があり、一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)の基準にのっとって査定額を算出しています。市場価格に見合った現金化を期待できます。
車の買取り査定は1社だけではダメな理由
車を売りたいとき、査定に出す買取業者は2社以上にしましょう。
1社だけの査定では損をするかもしれません。その理由を2つ説明します。
買取業者の中には、できるだけ利益を大きくするために市場価格より安い買取額を提示するところがあるかもしれません。
しかし、査定を受けた買取業者が1社だけでは、他の業者と比較ができず、安すぎる価格でも正当な買取額だと思ってしまう可能性があります。
競合相手の買取額を伝えるためには、2社以上の査定を受ける必要があります。相場を知るには3社程度が分かりやすいでしょう。
2社で査定を受け、一方が凄く高い査定額を提示した場合も注意が必要です。高く買い取ってくれる業者に決めた後で、傷やへこみが見つかったと大幅に買取額を下げられる可能性があります。
自分が売りたい車を欲しいと思う業者は、確実に買い取るために最も高い査定額をつけます。
一方、同じような車の在庫が豊富な業者や売りたい車の取り扱いがあまりない業者は、低価格を提示する可能性があります。
そのため、2社以上で査定を受けたほうが、自分の車を探している業者と出会うチャンスが広がるでしょう。
買取業者ごとに得意とする車があり、その車を求める人がお店にやってくるので、業者が力を入れる車と自分の車が合えば、高い査定額を出してもらえる期待ができます。
買取り査定を何社も受けて競合させるメリット
車を売るには複数の業者で買取り査定を受けて、競合させたほうが買取額アップの期待ができます。
業者同士を競合させるメリットを4つ紹介していくので、目を通してみてください。
買取店は、車を買い取って初めて商品在庫が手に入るので、人気の車ほど積極的に買い取ります。
利益を大きくするために買取額はできるだけ安くしたいのが業者の本音なので、1社しか査定を受けていないと知ると安い査定額を出してくる可能性があります。
他でも査定を受けていることを業者が知れば、需要のある車ほど限界の買取額を提示するでしょう。あまりに安い査定額を提示して、他店へ売ってしまうと利益を得るチャンスを失うので、どうにか買い取るために買取額を上げようとします。
査定を受けたからといって、すぐその業者へ売ることを決める必要はありません。複数社の査定価格が出るまで保留にしてもかまいませんので、納得できる買取額を提示した業者に売りましょう。
中古車の買取り査定には一定の基準があって、どの業者で査定を受けても似た金額になる傾向があります。そのため、複数の業者で査定を受けると、売りたい車の適正な買取価格がわかってきます。
もし大幅に安かったり、高かったりする業者があれば避けて、その中でも高く買い取ってくれるところで売りましょう。
基準が同じにも関わらず、全く同じ買取価格にならない理由は、査定基準の中に業者が判断できるポイントがあるためです。業者ごとに在庫状況がさまざまで欲しい車が異なるので、車を欲しいと思う業者ほど高く買い取る努力をします。
中古車の買取業者は、業者ごとの強みが違います。コンパクトーカーが得意な業者やハイブリットカーをメインに扱う業者など、さまざまです。
その業者のメイン商品を求めてお客さんが集まるため、できるだけたくさんの在庫を持ちたいと思うでしょう。そのため、自分が売りたいと思っている車をメイン商品としている業者を見つければ、他店より高い金額で買い取ってくれることを期待できます。
例えば、コンパクトカー専門の買取業者へスポーツカーの査定を申し込んでも、相場より低い査定額になるでしょう。
メインで扱う車を少しでも多く買い取るために、買取強化のキャンペーンを行う場合もあります。上手に活用するとさらに買取価格が上がるかもしれません。
車の買取り査定は、受け続けるといつか納得できる査定額が出るわけではなく、一定の基準をもとに査定するため同じくらいの金額にとどまります。
そのため、5社以上で査定を受けても大きく差はつかず、手間が増えるだけなので何社も査定を受ける必要はありません。
5社以上で買取り査定をすると、何度も店舗へ足を運んだり、業者へ来てもらったりなど、時間を割かなくてはならず、かえって手間がかかります。
中には、「今売却を決めてくれないと…」などと言って迫ってくる業者もいるかもしれません。査定を受ける数はほどほどにしましょう。
査定は3~4社受けるのがベスト!
中古車の買取り査定は、3~4社ほど受けるとちょうどよく、2社だけでは適正な相場を割り出しづらいとされています。
5社以上は手間が増えるだけで適正相場は大きく変わらないため、気になった業者を3~4社に絞って査定を申し込みましょう。
査定は、全国規模の大きなチェーン店・限られたエリアで知られる中規模店・地元の小規模店でバランス良く受けるのがおすすめです。
企業規模が異なると車の在庫やこだわりも違うので、期待以上の買取額が出る可能性があります。
店舗数の多い業者は、公式サイトで取り扱いのある車や積極的に買い取る車を紹介していることがあります。査定に出す前にインターネット上の情報もチェックしましょう。
査定方法の選び方
車の査定を受けるには4つの方法があるので、自分の状況に合った方法を選びましょう。それぞれのメリットとデメリットも紹介します。
テレビCMなどで見かける中古車買取店は、売却先として思いつきやすく、直接来店して査定を受ける方もいます。
しかし、売りたい車を持ち込むとその場で売る決断を迫られやすく、査定額に納得していなくても「今売るとこの価格」と言われて承諾してしまうかもしれません。
業者側は車を売る前提での来店と考えるため、店舗へ持ち込んで査定を受けると安く見積もられがちです。買取店で持ち込み査定を受ける場合は、すぐ売却を決める必要はないと思って受けましょう。
持ち込み査定で複数店舗を回るには時間がかかるため、出張査定等の方法で査定を受けてから持ち込んだほうがスムーズです。
今すぐ車を売りたい!という方には、持ち込み査定が便利です。
出張査定は査定士が自宅などを訪問し、直接車を見る査定方法です。自分から出向く手間がかからず、複数社に出張査定を依頼することもできるので便利です。
店舗によっては自宅を知られたくない方のために、勤務先やスーパーなどの駐車場で査定を受けることもできます。
「わざわざ足を運んでもらった」と思うかもしれませんが、お店側も仕事で訪問しているため遠慮はいりません。遠慮なく査定内容について質問し、納得のいく買取額かどうか確かめましょう。
自宅や勤務先の駐車場はあなたのテリトリーであり、強気で交渉しやすい場所ですが、弱気になると査定士に伝わり買取価格が下がる可能性があるので注意しましょう。
中古車買取店などのホームページで、売りたい車がいくらで売れそうかシミュレーションできる場合があります。
必要事項を入力して調べると、大体の買取相場がわかるので、初めて車を売る方や売ろうか悩んでいる方には参考になるでしょう。
あらかじめ車の買取価格の相場を調べてから直接持ち込み査定または出張査定を受けると、提示された金額が妥当かを判断しやすくなります。
ホームページで買取価格がわかるものもあります。おおよそのものですが、電話をする必要もなく個人情報の入力もせず買い取ってくれる価格をシミュレーションできるので気軽に調べることができます。
Webサイトで車の買取価格を調べられるサイトの中には、そのまま実際の査定を申し込めるところもあります。
また、ディーラーのWebサイトにもシミュレーションサイトがありますが、下取価格となるためその点には注意しましょう。
スマホで売りたい車の写真を撮り、必要な情報を入力して送信すると査定を受けられる車査定用のアプリもあります。
AIと高精度システムにより、スマホで車の写真が撮れれば24時間いつでも査定ができ、売却までできるアプリです。
車を買取店へ持ち込む時間がない方、来店が不安な方、査定士に家を訪問して欲しくないという方には、うれしい査定方法です。
スマホアプリの中には今後の車の売りどきを調べるツールもあり、売るべき最適な時期がわかることで売却の不安や情報収集、他店との査定額の比較ができます。
忙しい中でも空いた時間でこまめに相場をチェックできるメリットがあります。
車の買取相場を知る方法
実際に車の査定を受ける前に、中古車の買取相場を知っておくと査定額が適正か見極められます。
ここからは、中古車相場を知る方法を3つ紹介します。あなたの車の買取相場もチェックしてみましょう。
複数の買取業者のおおよその買取価格を知りたい場合、価格を比較できるまとめサイトが便利です。買取価格は車の詳細な条件で変化するため、あくまでも一例になります。
中には相場より大幅に高い買取価格を載せたサイトがあるかもしれません。その場合、リンク先の問い合わせをうながすための嘘の買取価格の可能性があります。
まとめサイトの中には、売りたい車の状態などを入力して検索するうちに、提携している中古車買取店へ査定申し込みがされてしまうところもあります。サイトの文章は十分読んで、必要以上に業者とのやりとりに手間取られないよう注意しましょう。
自動車メーカーの公式サイトにある下取り査定ツールを使うと、だいたいの参考価格がわかります。
ただし、下取価格となるのでディーラーで車を購入する場合の価格となります。買取専門店とは価格が異なる場合があるので、参考程度にとどめましょう。
メーカーサイトによっては売りたい車の撮影や車検証のQRコードが必要になるケースがあります。また、LINEで友だち登録すると下取価格の相場がわかるというサービスもあります。
大手中古車ショップの公式サイトには、自車の買取実績を載せている場合があります。個人情報の入力は不要で気軽に実際の買取例がわかるため、査定前の情報収集には便利です。
詳細な車の状況と買取価格が載っており、自分の車の正確な査定金額がわかります。しかし、サイトによっては個人情報の入力欄があり、つい入力してしまいそうになるかもしれません。
詳しい買取実績から売りたい車の情報を探しつつ、個人情報入力フォームを避けながらサイトを見るのは、少し面倒に感じる方もいるでしょう。
買取り査定の交渉術
車の買取価格を少しでも上げるためには、査定士との会話も大切です。相手はプロなので、交渉は中古車買取の知識をつけてから挑みましょう。
もちろん良い状態の車であることもポイントです。車の状態の良さを裏づけるアピールもしていきましょう。
本当に売りたいと思って車を査定に出すと、その気持ちは査定士に伝わります。
査定士はプロなので、とりあえず買取価格を知りたい程度に考えていると、高い価格を提示されることは難しいでしょう。業者側も売る気がない相手に時間をかけては損になるため、適当に流されるかもしれません。
査定士に本気で売る気があることを伝えるには、事前に売却に必要な書類を尋ねて用意しておきましょう。手続きの書類を揃えた上で査定を受けると、業者側も真摯な態度で交渉を受けてくれます。
しかし、その場で売却を決める必要はありません。他店の買取価格と比較検討すると伝えると、利益が出るギリギリの金額の提示が期待できます。
車の外装に傷やへこみがなく、内装もきれいで定期的なメンテナンスを欠かさず受けてきた車は、車を見ただけで大切にされてきたとわかります。
購入時の思いや乗り続けた車への気持ちなど、車に愛着があって丁寧に乗ったと口頭でもアピールすると、査定額アップの可能性があります。
オーナーが愛着を持って乗った車ほど、査定士は車の手入れを丁寧に行ったとみなすので買取額に良い影響を与えるでしょう。
きれいに乗ってきた車を査定直前に洗車・車内清掃して見やすくしておくとより心象も良くなります。また、トランクにあるたくさんの荷物を片付けて査定しやすくすることも、売る気があるとアピールになります。
点検整備記録簿があれば、きちんとメンテナンスを受けてきた車かどうかが査定士にはすぐにわかります。
点検整備記録簿がなくても車の状況を見れば修復歴や事故歴がわかるため、嘘をついて隠しても評価は上がりません。
むしろ嘘をつくと、ほかにも何か隠していないかと査定士が疑うことがあります。印象が悪いと査定が厳しくなる可能性があるので、嘘はつかず正直に査定を受けましょう。
査定価格に納得できず、もっと買取価格を上げたいときは、その場で決めず保留にしましょう。
他社の査定も受けており、査定額の提示を待っていると伝えると、業者はできるかぎりの買取額を提示するかもしれません。
すでに他社からの査定金額のデータが揃っていれば、伝えて交渉する方法も効果的です。もし提示された買取額が想定より安ければ、なぜそうなったかを尋ねて納得してから売却しましょう。