買取業者に車の査定を依頼し、提示された査定額はずっと同じ金額が保証されるのでしょうか?
中古車市場における価格は、変動が激しいので急に下落する場合もあります。例えば、査定時に売却するかを即答できずに返事を保留にして、数日後に業者に売却する連絡をしたところ、提示された査定額では買い取れないと言われるケースもあります。
この記事では、車の買取り査定額の有効期間や査定額が変動する前にスムーズに買取を進めるためのポイントを紹介するので、参考にしてみてください。
車の買取り査定額には有効期間がある
買取業者に車の査定をしてもらった後、その場ですぐに決めなくても問題ありません。他の買取業者の査定を受けてから、査定額を比較して買取業者を決めるという方も多いでしょう。
しかし、査定額を提示されてから返事を保留しているうちに、査定額が変動することもあります。
査定額には有効期間があり、期間内は査定日の査定額が保証されますが、期間が過ぎると査定額が変わってしまう可能性があるということです。
確かに、査定直後に即答しないでよく検討することも高額買取を目指す上で大事ですが、買い取ってもらうことにした業者の査定額が変動する前に返事をしなければ、査定自体が無駄になってしまうので気を付けましょう。
中古車は価格が変動しやすい
車の査定額に有効期間を設けているのは、時間の経過と共に中古車の売買価格が変動してしまうためです。特に中古車の場合、新車と違って中古車市場における需要が変わりやすく、在庫数にも影響を受けます。
中古車買取業者は、中古車のオートオークションにおける相場を参考にして査定額を見積もります。秒単位、分単位で中古車価格が変動するというわけではありませんが、1日2日という短期間のうちにオートオークションの相場は変わってしまうこともあるでしょう。
そのため、今日の査定額が明日も同じかというと必ずしもそうとは言えません。
有効期間は一般的に「1週間」
車の買取業者によって査定の有効期間に差があるので、一概にいつまでと言うことはできませんが、中古車は価格変動しやすいので、さすがに1ヶ月2ヶ月と長めの有効期間を設けている所はほぼないでしょう。
一般的に短い買取業者で2、3日、長くても2週間くらいとなっています。平均すると、査定日から1週間を有効期限とする所が多いです。
中には、本日ならこの査定額で買い取るけれど、明日になると下がるというように営業をかけてくる業者もあります。しかし、1日で査定額が大きく変動し、下落してしまうというのは極端です。そのため、依頼主に即断を迫るための営業テクニックだと考えたほうが良いでしょう。
査定を受ける前に査定額の有効期間について確認しておくと安心です。
査定額の有効期間は一般的に1週間くらいだと前述しましたが、実際に査定を受けるとそれよりも短期間で査定額が変動することもあります。
その理由の一つとして、査定を受けた時期がたまたま価格変動が激しくなるタイミングであったことが考えられます。
例えば、1~3月は4月からの新生活に向けて中古車の需要が高まります。買取業者は1台でも多く在庫を持ち、どんどん売ろうとして、積極的に買い取りに動くでしょう。
また、3月と9月の決算期も利益を上げようとして同様の動きが見られます。オートオークションの値動きが活発化するため、査定額の有効期間が短くなるのです。
さらに、車のモデルチェンジも影響します。新モデルの新車が販売されると、旧モデルの車の買取額は下落するのが一般的です。
査定日から数日経過し有効期間が過ぎてから、やっぱり買い取ってもらいたいという場合もあるでしょう。
査定の有効期間が過ぎてから、買取業者と契約をしたいと思っても同じ査定額で買い取ってもらうことはできません。その場合は、もう一度査定をしてもらい、提示された査定額での買い取りとなってしまいます。
中古車の価格は時間の経過と共に変動し、該当車種の需要に左右されると前述しました。そのため、タイミングによっては前回の査定額よりも下がってしまうこともあります。
逆に前回よりも中古車市場の需要が高まっていれば、査定額が上がる可能性もあります。
下取りのほうが買い取りよりも有効期間が長い
車を売却する方法として、買い取り以外にもディーラーへの下取りがあります。下取りは、新車を購入する際に今まで乗っていた車をディーラーに買い取ってもらうことです。
ディーラーの下取額の有効期間は、買い取りの平均とされている約1週間よりもさらに長いとされています。査定日からの経過日数が長くなると市場の価格変動による影響を受けますが、下取りの場合は少し違ってきます。
下取りは、新車の納車日まで車を乗り続けられることが多く、あらかじめ安く下取額が設定されているのです。また、ディーラーは新車の販売を主目的としており、下取り車の再販で大幅な利益を得ることは想定していないため、有効期間が長く設定されています。
ディーラーにおける車の下取額は、安めに設定されていることが多いです。時間が経つにつれ中古車の価値が下がっていくことを事前に予測し、見合った金額をつけています。
ディーラーに下取りを依頼するお客さんは、今まで乗っていた車を手放して新車に乗り換える方がほとんどです。新車を購入し、納車されるまでは下取りしてもらう車に乗り続けるという方もいます。
納車時に車を引き渡された時点で、価格がどの程度下落するかを予想し、下取り額を算出しています。そのため、実際の中古車市場における価格変動はさほど意識していません。
できる限り損をしない範囲内で下取額をつけているので、安くなってしまうのです。
そもそもディーラーは新車の販売が主目的であり、新車を売って利益を上げています。一方で中古車を買い取って売り、差額を利益として得ているのが中古車買取店です。
中古車を買い取るという意味では同じですが、利益を得る方法が異なります。買い取りと販売の差額を利益としている買取業者は、安く買い取って高く売ることが重要です。
しかし、ディーラーは下取りとして中古車を買い取っても、あくまで新車を買ってもらうためのサービスの一環のような扱いになるため、下取りで儲けようとはしていません。
ただし、損は出したくないため、あらかじめ下取額をやや低めに、有効期間は長めに設定しているというわけです。
査定額が変動する前にスムーズに車買取を進めるコツ
査定額には有効期間があるので、変動しないように期間内に買取業者を決め、スムーズに契約を成立させることが大事です。
そのためには、まず愛車の相場を調べておきましょう。そうすれば提示された査定額が相場価格なのか、適正かの判断ができます。
さらに、査定を依頼する業者を数社に絞り、査定のスケジュールはできる限り短期間で終わるように調整するのもおすすめです。
また、契約に必要な書類などを早めに確認して準備しておきましょう。
査定時にはギリギリの査定額が引き出せるように、価格交渉術を知っておくこともポイントになります。
査定を依頼する前に、まずは愛車の買取査定額の相場を調べておくことをおすすめします。
売却予定の車がいくらくらいになるのかを事前に知っておくことは、提示された査定額が適正かどうかの判断基準となります。
また、複数の買取業者の中で相場よりもかけ離れた高額な査定額を提示してくるところがあった場合は注意しましょう。例えば、車を引き渡した後に減額を求められる可能性もゼロではありません。
高額査定の業者であっても、大体相場よりもやや高いくらいの査定額をつけることが多いです。そのため、あらかじめ相場を知っておけば、査定額の有効期間内によりスムーズに買取業者が決められるという点で効率的だと言えます。
車を売却する際、複数の買取業者に査定を依頼して査定額を比較したいという方も多いでしょう。査定額は買取業者によって差が生じるので、できる限り多くの業者に査定してもらいたいと誰でも思うものです。
しかし、査定額には有効期間があります。いくら多くの買取業者に査定を依頼しても、まだ査定してもらっていない買取業者がいる段階で、最初に査定してもらった買取業者の有効期間が過ぎてしまっては意味がありません。
もしかすると最初に査定してもらった業者の査定額が一番高額という可能性もあります。あらかじめ、査定依頼する業者の数はある程度絞り、必要最小限に抑えておきましょう。
複数の買取業者に査定を依頼する時、自宅などに来てもらう出張査定は店舗に出向かなくても良いので効率的です。自分の都合に合わせて査定日時が選べるというのも、便利な点でしょう。
ただし、出張査定は自分の都合だけではなく、査定員のスケジュールの確認をしなければなりません。特に買取業者の繁忙期だと、査定のスケジュールが詰まっており、自分の希望通りにいかないこともあります。
時間の都合をつけないと、査定の有効期間内に全ての査定を終えるのも難しくなります。あらかじめ査定依頼する買取業者をピックアップした上で、1社目の査定から最後の買取業者の査定までが短期間で終えられるようにスケジュールを調整しましょう。
一度の申し込みで複数の業者に査定依頼ができる一括査定サービスは、便利に思えますが、査定額には有効期間があるので、あまりに多くの買取業者に査定依頼しても全ての買取業者の査定を受けるのは難しいでしょう。
また、一括査定を申し込んだ直後に営業や査定の予約をしてもらおうとする買取業者から一斉に電話がかかってきます。その都度、対応するのも時間を取られるし、煩わしいと感じる方も多いかもしれません。
査定を依頼する買取業者を絞りこむにも面倒が増えてしまうことになりかねないので、慎重に考えてから利用しましょう。
車買取業者によって、査定額の有効期間に違いが生じることがあります。「1週間くらいだろう…」と思い込んでいて、実は数日だったということもありえます。
せっかく買い取ってもらう業者が決まったのに、有効期間が過ぎていれば査定の意味がありません。前回と同じ査定額での売却は難しいでしょう。
再査定を行うと、査定額が下がるということも十分考えられます。そうならないように、査定の申し込みをする際に査定額の有効期間を聞いておき、スケジュールを立てるようにしましょう。
また、査定後にも有効期間について再度確認しておくと安心です。
買取業者の査定が全てスケジュール通りに終わり、買取先が決まると業者はすぐに売買契約の手続きに入ります。
買取業者は買い取りが決まったら、できる限り早く契約を済ませて車の引き渡しを行いたいと考えています。中古車市場は価格変動が激しいので、価格が下がらないうちに早く引き取ってメンテナンスを行い、オークションに出す、店頭で販売するという形で少しでも利益を出したいからです。
契約の際には、車検証などの必要な書類が必要となります。もし紛失していれば、再発行にまた時間を要してしまうこともあるでしょう。あまりに時間がかかれば、売却を決めたのに再査定の対象となってしまう可能性もあります。
売買契約から車の引き渡しまでがスムーズに進むように、必要な書類も早めに確認、準備しておきましょう。
タイヤやホイールを純正品から社外品に付け替えるといったカスタマイズした場合は、査定額に影響を与える可能性があります。
カスタマイズした車は好みが分かれるので、費用をかけてカッコイイ見た目にしても査定額が上がるとは限りません。むしろ、カスタマイズすることで査定額が下がる場合もあります。
カスタマイズ車でも、純正パーツがあれば査定額への影響は少なくて済みます。カスタイマイズした場合、査定額には有効期間が設けられている以上、契約がスムーズに進むように事前に純正パーツを準備しておきましょう。
他にもスペアキーや車の取扱説明書などの付属品も揃えておくと、効率的です。
査定をスムーズに進めるには、効率よく価格交渉を行うこともポイントです。査定員が査定額を算出する際、価格交渉を見越してやや低めの査定額を提示することも営業テクニックの一つだと言われています。
査定後の交渉の中で、相手の出方を見ながら査定額をどこまで抑えられるのかを探っていくものです。例えば、売り主が査定相場を知っていて、それよりも低い金額を提示されたなら、まだまだ上がる可能性があるので交渉する価値はあります。
査定員も車や査定について詳しく手ごわい相手だと分かれば、交渉の仕方もまた違ってくるかもしれません。自分の車の魅力や査定額アップのポイントを上手くアピールしながら、何とか相手が出せるギリギリの査定額を引き出しましょう。
査定額の交渉を有利に進め、スムーズに買取業者を決めるためには多少の駆け引きも必要となります。
査定の希望額を聞かれて伝えると、それ以上の査定額アップは望めなくなります。敢えて査定額を言わないで、自分が調べた査定額の相場をそれとなく伝えて査定員の出方を見てみましょう。
また、他社の査定額を気にする査定員もいます。今査定を受けている買取業者よりも、前に査定を受けた業者のほうが査定額が高いなら、会社名と査定額を伝えるのも交渉テクニックの一つです。査定員に揺さぶりをかけることができます。
ただし、会社によって出せる額がある程度決まっているので、やりすぎには気を付けましょう。
査定額の有効期間が決まっているので、その場で即答しなければならないと思うかもしれませんが、焦る必要はありません。少なくとも有効期間内なら提示された査定額が保証されているので、ゆっくり検討しましょう。
ただし、業者側もいつまでに返事をくれるのか気になり、営業の電話を頻繁にかけてくる可能性もあります。電話がかかってくるのも煩わしいので、こちらから返事の期限を設けておくのもおすすめです。
できる限り返答期限は短め、査定額の有効期間よりもやや早い日にちで設定しておきましょう。そして、必ず返事はするので電話連絡を控えてもらうように伝えておくと効果的です。