軽自動車についての疑問

軽自動車の安全性とは?判断基準や選び方を紹介!

軽自動車は普通自動車と比べて維持費が抑えられ、デザイン性が高い車種が多いため年齢性別を問わず人気が高まっています。

しかし、軽自動車の懸念点として安全性が挙げられます。軽自動車はコンパクトかつ軽量のため、万が一の時に不安を感じる方もいるでしょう。

当記事では、軽自動車の安全性について解説します。軽自動車が危険と言われる理由や、それを払拭する安全機能を紹介するため安心して車種選択ができるでしょう。

軽自動車の安全性は3つの項目が基準

軽自動車の安全性は3つの項目が基準
軽自動車の安全性を明確に示す基準は3つあります。本章では、軽自動車を購入する際に注目したい安全性能を紹介します。

いずれの安全性も点数が定められており、各項目を集計した数値が評価点として扱われます。

1.衝突安全性能

ひとつ目の「衝突安全性能」は車が衝突した際に衝撃を和らげる機能を指します。具体的にはシートベルトやエアバッグが代表的です。

自動車が衝突した際は乗車する人が外に投げ出されたり押しつぶされたりする可能性があります。しかし、エアバッグやシートベルトに基準を設けることで有事の際に命を守る確率を高めます。

車が市場に出回る前に「独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)」によって衝突試験を実施しているため、どの車も一定の安全性が確保されています。

そのため、軽自動車だからといって不安を感じる必要はありません。各試験は具体的に6つの評価項目から構成されており、100点満点で評価されます。さらに、獲得した点数によってA~Eランクに分類されるため車種選びの際はランクに注目しましょう。

2.事故自動緊急通報装置評価

事故自動緊急通報装置評価は、事故発生時やエアバッグがひらいた際に自動でコールセンターに通報するシステムを指します。

事故発生時に位置情報をスピーディーに通報すると要救助者への対応が適切に行え、救命率が向上したり早期の事故処理によって道路の渋滞を最小限にとどめられたりします。

具体的な評価方法は下記一覧のように先進型と基本型に分類され、具体的な得点が異なります。先進型は8点、基本型は2点という仕組みになっています。

3.予防安全性能

予防安全性能は91点満点で評価される要素で、事故を起こさないための機能が備わっているかを判断するひとつの基準です。予防安全性能の評価も点数によってA~Eまで分かれているため参考にします。

具体的には自動ブレーキや誤発進抑制機能が挙げられます。かつては一部の車だけに備わった機能でしたが、近年は多くの車種での導入が進んでいます。

軽自動車の安全性が低いのは本当?

軽自動車の安全性が低いのは本当?
軽自動車の性能や安全性は年々高まり、普通自動車と遜色ない車種も多く見られます。

しかし、いまだに「軽自動車は危ない」との意見も聞かれることは確かです。

本章では、軽自動車の安全性が低いと言われる理由を解説します。

車体の軽さから安全性を懸念されている

軽自動車最大の特徴は車体が小さく小回りが利きやすい点です。しかし、車体が小さく軽い分、衝突時は衝撃に耐えられず破損具合が大きくなるデメリットがあります。

特に大型トラックと衝突した場合は大きさの違いから、車体ごと吹き飛ぶ可能性もあります。しかし、単身事故の場合は車体の軽さがメリットとしてはたらき衝撃を最小限にとどめます。

軽自動車は車体の軽さが特徴ですが、万が一の場合はたよりなさを感じ「危ない」と判断する方がいると考えられます。実際に軽自動車が1トン未満の重さであるのに対して、普通自動車は1トン超えはもちろん、2トンを超える車種まであります。

軽自動車の事故死亡率は他と大きく差がない

車体の軽さから事故率の高さを予想する方も多いですが、データ上では普通自動車等と事故死亡率はあまり変わらない特徴があります。

実際に交通事故統計(令和3年3月末)によると、2011年から2021年までは普通自動車のほうが死亡事故は多くなっています。

2011年の自動車販売台数は普通自動車が11万8,123台で、軽自動車が11万7,660台と大きく差がないことからも、軽自動車の事故死亡率は普通自動車とあまり差がないと判断できるでしょう。

自動車の安全性を判断する機能やデータを紹介

自動車の安全性を判断する機能やデータを紹介
自動車の安全性は年々向上しており、かつては普通自動車だけで見られた機能が軽自動車へも広がりを見せています。

ここでは安全性をはかるために欠かせない搭載機能やデータを紹介します。

サイドエアバック・カーテンエアバッグ

近年は、従来のエアバッグだけでなくサイドエアバッグ(カーテンエアバッグ)への注目が高まっています。

自動車事故は正面から車がぶつかってきたり障害物に激突したりするだけでなく、交差点で信号無視の車に横から追突される可能性もあります。

特に、後部座席に人を多く乗せる機会が多い場合は重大な事故につながりやすいためサイドにもエアバッグがついた車種の選択がおすすめです。サイドエアバッグはメーカーによってオプションになっている場合もあるため、車選びの際はカタログや担当者への確認を行いましょう。

なお、日本ではエアバッグの装備を義務付けてはいませんが欧米諸国では義務付けられている点もあわせて理解しておきましょう。

横滑り防止機能(ESC)

軽自動車は車体が軽いため暴風や橋の上では車体が傾きやすい特徴を持ちます。そのため、ドライバーの中だけでなく自動で横滑りを修正してくれる機能が大切です。

平成26年2月24日以降は各車種に横滑り防止機能の搭載が義務付けられているため、新車で購入する場合は付属する機能です。しかし、中古車で購入する場合は年式によって異なるため業者への確認が大切です。

自動ブレーキ

軽自動車は車体が軽いためブレーキがきくまでの距離が短い特徴を持っています。

しかし、高齢者の場合は障害物が迫った場合や信号停止までの判断時間が長くなるため、自動ブレーキがついていると予測できない事態に備えられたり、家族が安心して送り出せたりします。

また、初心者や運転に対して自信がない方にもおすすめの機能です。

後部スペースのゆとり

安全性を確保するには機能だけでなく、後部スペースのゆとりも注視します。

近年は軽自動車において空間を広く作る車種が増えており、ファミリーカーとして活用する世帯が多く見られます。後部スペースにゆとりがあると荷物を置きやすいだけでなく、衝突時や急ブレーキを踏んだ時に後部座席に乗り込んだ人が飛び出しにくいメリットもあります。

後部座席であってもシートベルトが義務付けられているため必ず着用しますが、さらに後部スペースのゆとりを広く取った車種を選択すると、有事の際に被害を最小限にとどめられる可能性が高まります。

NASVA・JNCAPの評価

近年はコストパフォーマンスがよい軽自動車の人気が高まり、あわせて各メーカーが公式サイトで自社の軽自動車について安全性をアピールする動きが見られます。

もちろん公式サイトの情報は有力な手がかりですが、さらに中立的な機関の意見や評価も参考にするとよいでしょう。

具体的には後述するNASVAやJNCAPが挙げられます。安全性を具体的な数値で把握するとより安全性が高い車選びが確実に行えるでしょう。

【安全な車選びに欠かせない】NASVA・JNCAPとは?

【安全な車選びに欠かせない】NASVA・JNCAPとは?
安全性が高い軽自動車を選ぶ際は、NASVAやJNCAPなど客観的な試験データを元に候補を絞ることがおすすめです。

本章では中立的な立場で車を判断する機関やテストを解説します。

NASVAの役割

NASVA(ナスバ)は独立行政法人自動車事故対策機構の略称で、人と車が共存するために自動車事故の発生防止をサポートしたり被害者の支援を行ったりする専門機関です。

自動車事故は必ず人と車が関連して起こります。そのため、車の安全性はもちろんドライバーの意識改革や被害に遭ってしまった人のケアまで包括して行える機関が求められ今日に至ります。NASVAは自動車を所持する場合、必ず知っておきたい機関と言えるでしょう。

NASVAは国土交通大臣の認定を受けた機関のため、信頼できる情報やデータを提供している機関と言えます。

事故を防ぐ

NASVAでは自動車事故ゼロを目指す取り組みを行っています。安全に運転をするための講習を行ったり、国土交通省認定のセミナーを実施したり、個人業者問わず安全な運転を心がけるサポートを行います。

また、NASVAの特徴として「運転者適正診断」という自動車運送事業者において運転の調書は短所など特徴を見出し自己防止につなげる検査も行っています。

NASVAは車をなりわいとして扱う人全体が安全な運転を行えるよう、中立的な立場で推進する役割を果たします。

事故にあった人を守る

NASVAでは自動車事故の被害者やその家族を支える活動も行っています。交通事故にあった方に療養施設を提供したり、生活資金の貸付を行ったり具体的なケアを行います。

また、物理的な支援だけでなく交通事故によって抱えた悩みごとを相談できるホットラインの設置もあります。

交通事故は運転者非運転者問わずいつ誰に起こるかわからないため、被害者を支援する仕組みは心強い存在でしょう。

自動車事故から人を守る「JNCAP」

NASVAにある多くの取り組みの中でもとりわけ大きな要素を占める自動車アセスメントが「JNCAP」です。先述した3つの評価はJNCAPの基準をもとに行われます。

事故を防ぐ取り組みや事故にあった人を守る要素は非常に重要なポイントですが、車体そのものが事故を引き起こさない状態にすることも大切です。各メーカーが出している情報データはもちろん正確なものですが、JNCAPのように客観的に一律条件のもとで判断することでドライバーが安心して車を選べるひとつの指標を作っています。

また、近年注目が集まっている項目としてチャイルドシートアセスメントがあります。乳幼児の命を守るために欠かせないチャイルドシートについて、前面衝突試験とその他の使用性について評価を行い、公表しています。

判定結果を公表することで購入者が安全なチャイルドシートを選べる基準を作ったり、メーカーがより安全なチャイルドシートの開発に着手する手助けを行います。

具体的な点数は25点満点で評価されます。

軽自動車の中でも安全性が高い5車種を紹介!

軽自動車の中でも安全性が高い5車種を紹介!
普通自動車と比べても遜色ない安全性の軽自動車ですが、近年はさらに安心して乗れる車種が多く販売されています。

本章では安全性が高いと評判の軽自動車を5車種紹介します。

日産 ルークス

日産ルークスは軽スーパーハイトワゴンの中でもとりわけ人気が高い車種です。

ルークスの大きな特徴としては運転席の上部にある「SOSコール」が挙げられます。有事の際は高性能の位置情報システムを活用し専門のオペレーターにつなぎスピーディーな救助につなげられます。

また、グレードによってはドライバーの負担を軽減するプロパイロット機能がついているため、高速道路での車間距離維持に活用できます。

日産 デイズ

日産ルークスと並び人気を博しているデイズも老若男女問わず人気の高い車種です。

デイズは日産と三菱が共同開発した車種で、軽自動車とは思えない乗り心地が好評を得ています。

また、安全性の高い車として知られるサポカーに対応している点も魅力のひとつ。自動ブレーキ(対歩行者)やペダル踏み間違い時加速抑制装置、車線逸脱警報や先進ライト(自動切替型前照灯など)の採用によって、サポカーSワイドやサポカーSベーシック+に選ばれています。

ホンダ N-WGN

小型の車種ながら安定感のある車体や長年乗り続けられるデザインが人気のN-WGNはさまざまなカラーが特徴の軽自動車です。

停車中にブレーキペダルから足を離しても、停車状態が続くため誤発進を防げたり、ドライバー負担を軽減できたりします。

また、先進機能として注目される「HondaSENSING」が標準装備のため、急発進や急加速を未然に防いだり、駐車時の困りごとをサポート可能です。運転に自信のない初心者の方や、だんだん運転に不安を感じ始める高齢者におすすめです。

ホンダ N-BOX

室内空間の広さが軽自動車とは思えないと高評価のN-BOXは、2022年度国内販売台数1位を獲得した人気の車種です。

スタイリングとインテリアの上質さはもちろん、安全性能も高く微細なカメラやセンサーを用いた「HondaSENSING」が標準装備でついています。

近年は走行時の車間距離について問題が噴出していますが、車線維持支援システム(LKAS)や渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)でドライバーの運転をサポートするため、運転に自信がない方でも車間距離を適切に保ちながら操作できます。

スズキ ジムニー

年齢性別を問わず人気が高まるスズキのジムニーは安全性が高く、快適な運転が叶う特徴を持ちます。

具体的には、右左折時に横断歩行者や交通状況を把握しやすいピラー(柱)やドアミラーの位置、ピラー断面とピラートリム形状の最適化で見落としを防止する取り組みが見られます。

また、万が一に備えられる機能も充実しており、衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能、車線逸脱警報など全7項目を備えた「スズキセーフティサポート」がドライバーの安全運転をサポートします。

まとめ

①普通自動車と変わらない優れた安全性を持ったりする車種が増加傾向にある
②安全性が高い軽自動車を購入する際に中立的なJNCAPの試験データを確認したり、各メーカーのカタログを確認する良い
③どれだけ高性能で安全性の高い車を選んだとしてもハンドルを切るのはドライバー自身であり、便利な機能を活用しながらも常に危機意識を持って運転する
※本記事は公開時点の情報のため最新と異なる場合があります。
カータル編集部
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この記事は中古車の売却、査定などについての知識が豊富な私たちが執筆しています。車を少しでも高く売るコツや必要な書類、手続きに関する疑問や質問にお答えしています。

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