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車のオーナーは定期的に車検を受けなければなりません。車を購入したディーラーで車検を通している方も多いでしょう。
ディーラーで車検を通すと、どうしても費用がかかります。車検切れが近い車を売却しようと考えている方の中には、ディーラー車検を通してから売却をした方がいいのか迷っている方もいるかもしれません。
そこで、ここではディーラー車検を通す前と後、いずれのタイミングで車を売却すべきかについて見ていきます。
また、車検切れになった車を売却できるかについても紹介していきます!
車検の前と後では差がある?車売却のタイミングを比較!
車検が近づいている場合、車検を通す前と後どちらのタイミングで車の売却をすればいいか迷うでしょう。車検の前と後に出すかは、それぞれにメリットとデメリットがあります。
ここでは、車検を通す前と後で車を売るメリットとデメリットについてまとめました。自分にとってどちらがより有利か、検討する材料にお使いください。
車検前に売却するメリット
車検を通す前に車を売るメリットとして大きいのは、手間が省ける点です。
車検に出す際にはディーラーなどに見積もりをお願いしたり、契約したりしなければなりません。
さらに、一定期間車をディーラーなどの業者に預けることになります。その間車が使えなくなりますし、代車を準備しなければなりません。
しかし、車検前に車を処分してしまえば、上で紹介した面倒な手続きをすべて省けます。車検に出すためにお店に行く時間がなかなかない方は、車検前に売却してしまうといいでしょう。
車検を通すには費用もかかります。ディーラー車検の場合車種によっては、100,000円以上かかる場合もあります。
車検前に車を売ってしまえば、車検費用を負担する必要がないのもメリットの一つです。
車検前に売却するデメリット
車検前に売却する場合、タイミングに注意が必要です。
車検前に仕事などが忙しくなって時間が取れない、納得できる価格で買い取ってくれる業者が見つからないといった場合だと、車検の有効期限を迎える可能性が出てきます。
別項で詳しく見ていきますが、車検切れの車も売却は可能です。車検切れの理由だけで、大幅に査定金額が下げられる心配もありません。
しかし、車検切れの車両は公道を走行すると無車検車運行となり、罰せられます。そのため、レッカーなどで引き取ってもらうか、仮ナンバーを取得して売却する必要が出てきます。
そうなると、手続きがかなり面倒です。何日もかかる恐れもありますから、期限直前に売るのは控えた方がいいでしょう。
車検後に売却するメリット
車検を受けた後に売却すると、多少査定額がアップする可能性があります。
車買取の査定では「残存期間」といって、車検の次の有効期限までを確認します。残存期間が長ければ長いほど、プラス査定も大きくなります。車両を購入したオーナーが、しばらく車検を受ける必要がなくなるからです。
また、車検をクリアしているということは、国の定める保安基準を満たしていることの証明になります。一定の安全性が担保されていることになり、その部分も評価されるでしょう。
もし車検直後に車を売ろうと思っているのであれば、その部分は積極的にアピールしてください。買取交渉の際の材料になりうるので、査定士にしっかり伝えるべきです。
車検後に売却するデメリット
車検後に車を売却するデメリットは、車検を通すには費用がそれなりにかかる点です。
ディーラー車検の場合、ほかで検査を受けるのと比較して費用が高めと言われています。車検費用がいくらになるか、直前までわからないのもデメリットの一つです。
整備にどのくらいの費用がかかるか、車の状態を見てみないとわかりません。
もし車検費用がわかってから売るか決めたいと思っているのであれば、あらかじめそのことをディーラーに伝えてください。そうすれば、まず見積もりを出してくれます。
見積書を見て車検前に売ろうと思ったら、キャンセルしても構いません。「車検を受けるか売るかで迷っている」という風に伝えましょう。
ディーラー車検の費用の相場について
ディーラーで車検を通す場合、ネックになるのが費用の高さです。
ディーラー車検の場合、100,000円前後が相場と言われています。この金額は、ほかの業者で車検を通すのと比較すると割高です。それだけ丁寧に点検と整備をしてもらえるということです。
ディーラー車検では「予備整備」を行っています。予備整備は車検後に安全に走行できるか確認する工程で、車検の中で絶対に行わないといけないものではありません。
より広範囲にわたって慎重に車の状態をチェックしてくれるため、どうしても費用がかさんでしまうのです。
費用対効果で比較した場合、車検を通す前に車を売却するのがおすすめです。
車検を通した後に査定に出せば、多少買取金額はアップします。ただ、どれだけプラス査定になるかというと、限定的です。
大体、車検を通しているかどうかの差額は数万円程度と考えてください。一方、車検を通すためにはそれなりの費用がかかります。この費用をリカバリーできるほどのプラス査定になる可能性は低いです。
特にディーラー車検を通すとなると、高額の費用を負担しなければなりません。この費用を相殺できるほどのプラス査定には、まずならないでしょう。
買取業者はそんなにコストをかけることなく車検を通すことができます。そのため、車検の前と後では、そんなに評価は変わらないことになります。
車検切れした車は売却できる?
車を保有しているけれども、車検切れになっているというケースもあるかもしれません。
車検切れの車を売却できるかどうか、ここで見ていきます。
結論からいうと車検切れの車でも売却は可能です。ただし、通常のケースとは若干手続きの流れが異なるので、その部分について解説していきます。
車検切れの状態の車でも売却は可能です。
車に乗っていない状況が続けば、うっかり車検を通すのを忘れることもあるでしょう。車検が切れているだけの理由で、買い取りを拒否されることはほとんどありません。
まずは買取業者に相談してみることです。
車検切れの車はそのまま売却できます。自分で車検を通してから車を売らなければならない、というルールもありません。
買取業者が車を引き取り次第、車検を通してから中古車として売却します。
車検を通すためには費用もかかります。しかし、その費用は負担する必要はありません。
不要な車検切れの車をお持ちであれば、速やかに売却するのがおすすめです。
車検切れの車は、査定額が大幅に引き下げられるのではないかと思う方もいるでしょう。確かに多少マイナス査定になってしまうかもしれませんが、そこまで大きな影響はないことが多いです。
買取業者は車を皆さんから引き取ると、業者専門のオークションに出されます。オークションでは車に関する情報はいったんリセットされます。
また、買取業者の中には自分のところで引き取った車を販売しているところもあります。この場合、車検切れの車は車検を通してからでないと販売できません。
しかし、大抵の業者が自前の整備工場を持っていて、車検整備をすることができます。自社で処理できるのでコストもそんなにかかりません。そのため、車検切れという理由だけで安く買い叩かれる心配はないでしょう。
車検切れの車を売却することは可能ですが、注意点もあります。
通常ならマイカーを買取業者に持ち込んで売却することも多いでしょう。しかし、車検切れの車はいかなる理由でも、公道を運転できません。
無車検運転は違法行為で、6か月以下の懲役もしくは300,000円以下の罰金が科せられます。その上、行政処分として6点の違反点数になります。一発で免停処分になってしまうので、運転しないでください。
では、車検切れの車をどう売却するかということになりますが、「出張査定」という方法があります。買取業者が指定する場所に出向いて査定を実施しています。
査定金額に納得できれば、業者に引き取りをお願いできます。買取金額に納得できなければキャンセルも可能で、キャンセル料なども発生しません。
車検切れの車売却する際の必要書類
車検切れの車を売却する際、いくつか必要書類を準備しなければなりません。
ここでは、どのような書類を業者に提出しなければならないのかまとめました。
基本的には一般的な車売却の際の必要書類と一緒です。また、特定の書類を提示することでプラス査定になるかもしれないので、ここで見ていきます。
車を売却するにあたって、車検証は必須です。車検切れの場合でも、直近の車検証を提出する必要があります。
車検証には所有者や使用者、保管場所などの細かな情報が記載されています。査定に出された車と同一のものか、車検証の内容と照合する必要があります。
車検証は車で保管しなければなりません。ダッシュボードやグローブボックスの中で保管されている場合が多いので、チェックしてみましょう。
もしどこを探しても車検証が見つからないというのであれば、再発行手続きが必要です。ナンバープレートを管轄する運輸支局に出向いて、手続きを速やかに行ってください。
自賠責保険証明書も車を売却する際の必要書類の一つです。
自賠責保険は車検を受ける際に更新するので、車検切れの車は自賠責保険の期限もすでに切れている可能性が高いです。
車を売却するにあたって、自賠責保険に加入していなければなりません。もし自賠責保険が切れているのなら、まず加入し直すことが優先です。自賠責保険の契約をしていた保険会社に連絡して、加入手続きをしましょう。
もちろん保険に加入する以上、保険料は負担することになります。車検が切れる前に処分すれば、このような余計な出費もなくなります。
納税証明書も、車売却の際の必要書類の一つです。
車のオーナーであれば、毎年自動車税を納税しているでしょう。ゴールデンウィーク明けくらいに自宅に自動車税の請求書が届くことが多いです。その請求書を銀行やコンビニなどに持っていって納税します。
この時、収受の押印の押された半券が返却されるはずです。これが納税証明書になります。
手のひらに簡単に収まってしまうほどの小さな書類なので、うっかりしていると紛失する恐れがあります。なくさないように車検証などとセットで保管するのがおすすめです。
もし紛失してしまったのであれば、都道府県の税事務所で再発行手続きを行ってください。
定期点検整備記録簿も準備しておいてください。
定期点検整備記録簿はこれまでの法定点検の内容を記録した書類で、いわば車のカルテのようなものです。
買取業者は定期点検整備記録簿を確認することで、今後どのような整備をすればいいかが把握できます。走行距離も記録されているので、車両に関する履歴もわかります。
中古車を購入した場合は、前のオーナーが定期点検整備記録簿を紛失しているケースもあります。その場合、定期点検整備記録簿はもらえません。
このような車を売却する際には、査定金額が安くなるでしょう。これまでの車の履歴がはっきりしないからです。
もし中古車を買い求めるのであれば、定期点検整備記録簿のあるものを選び、自身でも紛失しないようにしっかり保管するようにしてください。
車を購入した際に、取扱説明書も一緒に渡されるはずです。車の使用方法や故障したと思った場合の対処法などがまとめられています。
別に取扱説明書がなくても、車を売却することは可能です。しかし、あった方がプラス査定になるので、なくさずに保管しておきましょう。
カーナビやオーディオ搭載の車の場合、これらのマニュアルも渡されます。これらがフルセットで残っていると、査定がプラスになります。
最近の車は多機能化が進んでいます。そのため、取扱説明書のボリュームが増えているので、そう簡単にはなくならないはずです。
ディーラー以外に車検を通す方法
ディーラー車検は保安基準以外の広範囲にわたって丁寧に点検・整備してくれます。部品交換する際には、メーカーの純正品が使われます。
丁寧に整備をしてくれる半面、ディーラー車検の費用は高くなりがちです。もし費用がネックになっているのであれば、他のところで車検を通すことも検討しましょう。
住んでいる近所に「○○モータース」といった看板を見かけたことがある方もいるかもしれません。このような民間の整備工場でも、車検を受けることは可能です。
民間の整備工場の場合、ディーラーと比較すると車検費用を安く抑えられます。ディーラー車検の費用が家計を圧迫しているようであれば、民間の整備工場で受けることも検討してください。
また、車検専門店で車検を通す方法もあります。車検専門店はこちらがオーダーを出せば、車検を通すための最小限の整備でお願いすることも可能です。そのため、リーズナブルな価格で車検を通せます。
また、必要最低限の検査と整備であれば、スピーディーに車も戻ってくるでしょう。車をよく使うのでできるだけ早く納車してほしい、と思っている方にもおすすめです。
カー用品店が近所にある場合、こちらで車検を通す方法もあります。
カー用品店の中には、自前の整備工場を持っているお店も少なくありません。こちらの整備工場で整備を行い、車検を通します。
カー用品店のいいところは、自動車のパーツを多数取り扱っている点です。もし整備で部品を交換する場合、店で取り扱っているパーツが使用できます。どこか別の業者から部品を調達する手間がかからないということです。
また、カー用品店のセール品を使って整備をすれば、コストもそれほどかかりません。低価格で必要な整備ができるので、費用を安く抑えたい方におすすめです。
スムーズに整備してくれるのも、カー用品店の車検のメリットです。何日も車を預けることなく車検を通せるので、車がないと日常生活に支障をきたしてしまう方には向きと言えます。
とにかく費用を抑えたいと思っているのであれば、ユーザー車検を受けるのも一つの選択肢です。
ユーザー車検は、自分で車検を受ける方式を指します。車を運輸支局に持っていって、検査を受けます。
ユーザー車検の場合、業者に検査を依頼しなくて済むので他の方法と比較して数万円単位でコストカットできます。
ただし、ユーザー車検に合格するためには、常日頃からメンテナンスを行わないといけません。
また、ユーザー車検を受け付けている運輸支局は、平日の日中のみしか窓口が開いていない点にも注意が必要です。平日は仕事だという方は、スケジュールの調整が必要になります。
自分で全て行うので、最初は手間取るかもしれませんが、慣れてくればスムーズに車検を通せるでしょう。