車のオーナーの中にはメイン以外にもスペアキーを準備している方も多いかもしれません。
家族で複数の方が運転する場合や、メインで使っている電子系の鍵の調子が悪い時にスペアキーが活躍します。
車を売却するにあたって、スペアキーを用意すべきかどうか悩んでいる方もいるでしょう。そこで、ここでは車売却時のスペアキーの取り扱いについてまとめました。
中には車の鍵をなくしてしまったというケースも考えられます。その場合、売却することはできるのか、どう対処すればいいのかについても紹介します。
車の売却時にスペアキーは必要か?
スペアキーを持っている場合、車を売却する際に一緒に出すべきかどうかについてまずは見ていきます。
結論から言うと、スペアキーがなくても車は売却できます。
しかし、紛失でもしていない限りは、スペアキーは車と一緒に売却した方がいいでしょう。その方が査定金額にもプラスの影響をもたらします。
結論から言ってしまうと、スペアキーがなくても売却は可能です。マスターキーかスペアキー、どちらかの鍵があれば基本的に買い取ってもらえます。
つまり、スペアキーをなくしてしまっても、マスターキーがあれば買い取りは可能です。また、マスターキーを紛失してもスペアキーが手元にあれば売却できます。
問題は、スペアキーもマスターキーも紛失してしまった場合です。こうなるとドアを開けることも、エンジンをかけることもできません。鍵がない場合は、そのまま車売却はできなくなります。
全く手元にない場合にはどうすればいいか、別項で紹介しましょう。
スペアキーがなくても車の売却は可能です。ただしマイナス査定の対象になりますので、買取金額は多少引き下げられます。
どの程度の減額になるか、これは日本自動車査定協会という一般財団法人の設定している査定基準に基づきます。その査定基準によると、リモコンキーの場合20,000円のマイナスです。
最新鋭のモデルの場合、鍵も新しいシステムが取り入れられているかもしれません。キーレスシステムを導入している車のオーナーの場合、鍵を紛失したり故障したりするとマイナス査定の幅はさらに大きくなります。同じく査定基準を見てみると、40,000円の減額になります。
査定のマイナスではなかなか大きいので、キーレスシステムの車をお持ちであれば鍵は大切に扱いましょう。
スペアキーがないとマイナス査定になってしまう、だからと言って新しくスペアキーを作るのはやめた方がいいでしょう。
スペアキーを作れば20,000円査定金額がアップするかもしれませんが、作成費用が20,000円以内に収まるかというと、まず難しいです。
スペアキーを新しく作る場合、リモコンキーだと大体10,000~50,000円が相場です。
10,000円で作れれば、プラス査定の方が大きいかもしれません。しかし、ディーラーなどに行って作成をお願いするなどの労力を考えると、そのまま売却した方がいいでしょう。
またスペアキーを作成するとなると、手数料など別の費用がかかる可能性もあります。
スペアキーがなくても売却できるのは、中古車業界の事情も関係しています。
中古車市場では、スペアキーの有無はあまり重視されていません。ほとんどの車のオーナーは、運転する時にマスターキーを使用します。
マスターキーを紛失したとき以外でスペアキーを使用する機会は限られます。車のオーナーの中には、手放す時まで一度もスペアキーに触れたことがないという方もいるほどです。それくらい買い手にとってはあまり重視されていない存在なので、なくても売却できるわけです。
スペアキーの有無は、中古車マーケットの売上にはほとんど影響しません。そのため、スペアキーがないだけで買い取りを断られることはまずないでしょう。
スペアキーが見つからず、そのまま車を売却したとします。ところが、売った後でスペアキーが見つかるということも考えられます。
もし車売却をして何日も経過してから見つかったのであれば、買取業者に連絡する必要はありません。買取業者の多くは車を引き取ったら早めにオークションに出品してしまいます。
つまり、買取業者の方で売った車を保管していない可能性が高いということです。そのため、連絡せずに自分でスペアキーを処分してください。
スペアキーを記念として所持したいという方もいるかもしれませんが、おすすめできません。手放した車には、次のオーナーがいる可能性が高いためです。
スペアキーがあると、他人の車にアクセスできることになってしまいます。トラブルを回避するためにも、スペアキーは処分すべきです。
車の査定とスペアキーの種類
スペアキーというよりも、車の鍵は今やいくつかの種類があります。どの種類かによって、スペアキーがない場合の査定金額も変わってきます。
そこで、ここではスペアキーの主要な種類について紹介しましょう。
自分のスペアキーはどの種類か、まずは確認してみてください。
車種によっては住宅の鍵同様、いわゆるシリンダー系の鍵を採用しているモデルも少なくありません。古いモデルであれば、シリンダー系の鍵を採用しているものが多いです。
このような従来型の鍵であれば、たとえなくてもそんなに査定金額に影響はないでしょう。
シリンダータイプの鍵の場合、特殊な機能が搭載されていません。簡単に複製できるタイプの鍵であれば、そんなにマイナス査定にはならないはずです。
モデルによっては、ほとんど減額されない場合もあります。この手のスペアキーはなくても、そんなに買取金額を安く買い叩かれる心配はしなくていいです。
イモビライザーつきキーを搭載している車が、現在では主流です。
イモビライザーは、防犯装置の一種を指します。鍵の先端部分にICチップが搭載されています。こちらが車両に登録されているIDと一致すれば、エンジンがかかる仕組みです。
シリンダーの鍵の場合、ギザギザの部分を複製すれば簡単にエンジンをかけられます。しかし、イモビライザーつきキーの場合、ギザギザの部分を複製できてもICチップがなかったり違ったりすれば、エンジンはかけられません。
イモビライザーつきキーは簡単に複製できないので、高く評価されます。もしイモビライザーつきのスペアキーを紛失していると、それなりにマイナス査定される可能性が高いです。
比較的新しい車種の鍵を見てみると、スマートキーを採用しているものも少なくありません。
リモートでキーロックを解除できるリモコンキーや、鍵なしでエンジンをかけられるシステムも出てきています。
このようなスマートキーを紛失している場合、査定のマイナス評価も大きくなります。スマートキーの場合、車のIDを使って認識しているからです。
もし新しくスマートキーを複製するとなると、手間も費用もかかります。特に鍵なしでエンジンをかけられるモデルの場合、スマートキーを再発行する際にはかなりの費用がかかります。
つまり、それだけ査定金額の下げ幅も大きくなるので、鍵はしっかり管理しましょう。
マスターキーもスペアキーも紛失した場合の対処法
ここまで見てきたように、マスターキーかスペアキーのいずれかあれば、車の買い取りは可能です。
しかし、マスターキーとスペアキーの両方を紛失してしまった場合、話は変わってきます。ドアロックも解除できないですし、エンジンもかけられません。
そのままで売却するのは難しいので、どう対処すればいいかここで見ていきましょう。
マスターキーとスペアキーの両方を紛失してしまったのであれば、とりあえずその車を購入したディーラーに相談します。両方なくなったことが発覚した段階で速やかに相談しましょう。
もしかすると、マスターキーとスペアキーのいずれかを第三者が拾得している可能性があります。その人が悪用すれば、盗まれる可能性も出てきます。
ディーラーに相談すれば、新しくマスターキーを作るように案内されるでしょう。マスターキーの作成はすぐにできるものではありません。
特にスマートキーやイモビライザーキーの場合、鍵の再作成には時間がかかります。その間、車は動かせないので早めに相談してください。
マスターキーもスペアキーもないと、そのままの状態では車の買い取りは基本的に不可です。そこで車を売却したければ、少なくてもマスターキーの作成は不可避だと考えてください。
マスターキーを作成してもらう際、どのような種類かでも費用などは変わってきます。シリンダー系の鍵を見てみると、費用も手間もそんなにかかりません。
一方、キーレスシステムやスマートキー、イモビライザーなどは最新鋭の技術が組み込まれています。電子情報などを組み込んでいて、構造がかなり複雑です。
こうなると作成するには時間がかかります。早くても3日、長いと1週間くらい必要かもしれません。
費用も高額です。少なくても10,000円程度、種類によっては50,000円以上かかるかもしれないので、注意しましょう。
車の鍵をなくした時に自分でできる解決策
車の鍵が見当たらない、この場合、人によってはパニックになるでしょう。しかし一見すると紛失したようで、実は自分の身近なところに鍵のある場合も少なくありません。
車の鍵をなくしたとしても、とりあえず自分でできる解決策についてまとめました。車の鍵が見つからない時には冷静になって、以下で紹介する方法を試してみてください。
「車の鍵をなくした!」と思うのは、普段置いているはずのところに鍵がないことが多いです。いつもと違うところに鍵を置いて見つからないケースもあるので、最後に鍵をどうしたか思い出してみましょう。
最後に車に乗った時のことを振り返ってみます。どんな服を着ていたか、バッグを持っていたかを考えてみてください。
服やバッグのことを思い出したら、もしかすると服のポケットやバッグの中に入れっぱなしにしている可能性があります。またどこかに立ち寄った時に鍵をそこに置いてしまったかもしれません。
自分の行動を思い起こしてみましょう。鍵の場所を特定できるかもしれません。
子供やペットのいる家庭の場合、いたずらで車の鍵を持ち出したことも考えられます。小さなお子さんの場合、車に興味を持って鍵を親の目を盗んで持ち出しているかもしれません。
子供は時として、大人の想定外の突飛な行動をとることがあります。実際ブログやSNSを見ると、車の鍵や運転免許証を子供が隠して大騒ぎになったという話も時折見られます。
子供がいたずらした場合、自分がよく遊んでいる場所に鍵があるかもしれません。いろいろ探して見つからずに、最終的におもちゃ箱の中で見つかったといった話もあるようです。
ペットが車の鍵を持っていく可能性もあります。ペットがよくいる場所、クッションの下や小屋の中に鍵があったということもあるので探してみましょう。
家族で車を共有している場合、ほかの家族が運転して車の鍵を持ったまま、という可能性もあります。鍵をなくしたと思っていたら、実はパートナーが車の鍵を持っているというケースも少なくありません。
また親と同居している場合、自分の知らないところで親が車を運転していることも考えられます。親に車の鍵をどうしたか聞いてみると、実は持っていたという話も時折聞かれます。
家庭のある方は、ほかの家族に鍵を尋ねてみましょう。
スペアキー以外に車売却時に準備しておいた方がいいアイテム
スペアキーはなくても車は売却できますが、多少の査定額の減額が見込まれます。
スペアキー以外でも手元になければ、査定金額に影響を及ぼすものもあります。そこで、ここではどのようなものがあるといいのか、いくつかピックアップしてみました。
以下で紹介するものがあるかどうかで査定額が多少影響するので、買い取りに出す際には準備しておきましょう。
定期点検整備記録簿があると、査定の際にプラスに評価されます。これまで車がどのような整備を受けてきたかがわかるので、車の状態を把握できるからです。
定期点検整備記録簿は、新車を購入した時に車検証と一緒に渡されるはずです。今後車の買い替えや売却のことも視野に入れて、なくさないようにしっかり保管しましょう。
もし定期点検整備記録簿があれば、査定を受ける際にその旨を伝えてください。実際に見せることで、買取業者の信頼も高まります。
心象も良くなるので、査定額も多少アップするかもしれません。
中にはオリジナリティを出すために、愛車をカスタマイズしている方もいるでしょう。カスタムカーは好き嫌いが分かれるので、あまり査定では高く評価されません。
社外品のパーツの場合、査定でマイナスになってしまう恐れもあります。しかし、取り外した純正パーツが残っていれば、マイナス査定も相殺されます。
車は純正パーツのままの方が買い手がつきやすいです。例えば純正オプションをつけている場合、査定でプラス評価になる可能性が高くなります。
もしメーカーオプションやディーラーオプションをつけているのであれば、その旨を伝えましょう。特にメーカーオプションは希少価値があるので、高額査定につながりやすいです。
最近ではカーナビを取り付けている車も多いです。カーナビがあれば、初めて行く場所でも迷子になることなく案内に従って目的地にたどり着けます。
カーナビが取り付けられていれば、プラス査定になる可能性が高いです。しかも純正品だけでなく、社外品でもプラス査定になるでしょう。
ただしカーナビのモデルが古いとそんなに査定額はアップしないかもしれません。例えばHDDではなくDVDのナビはあまり評価されない傾向が見られます。
またダッシュボード上に簡単に取り付けられるポータブルタイプの場合、プラス査定はあまり期待できません。引き続き次の車でも使用するなら、取り外して売りに出しましょう。
安全装備をつけている車も、査定で高評価となる可能性が高いです。メーカー純正のものが多く、後付けができないからです。
具体的には歩行者や車両との衝突を避けるための自動ブレーキシステムや、車線から逸脱すると警報を出すような車などが挙げられます。安全装備のついている車は、中古車マーケットでも高い人気を誇ります。
需要が高いので、高値で売却できるわけです。プロの査定士であれば、安全装置が導入されている車かどうかチェックすればわかるでしょう。
しかし査定士も見落とす可能性がありますので、査定の際に安全装置のついている旨を伝えた方が、より確実です。