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車好きで、こだわりのある方ならオプションで少しグレードの高いパーツを取り付けたり、高級ブランドのパーツを購入して自分でカスタマイズをしたりするケースもあるでしょう。
車のパーツは、売却時の査定額に大きく影響する場合があります。プラスになるパーツもあれば、場合によっては査定額が減額されてしまうパーツもあるので注意が必要です。
この記事では、どのようなパーツがどう査定額に影響するのか、売却時に外したほうが良いのかなどを解説していくので役立ててください。
車の純正パーツと社外パーツ
車のパーツ(部品)には「純正オプションパーツ」と「社外オプションパーツ」の2つに分けられます。
純正オプションパーツとは、車体と同じ自動車メーカーが製造し販売しているパーツのことです。通常、新車には車体と同じメーカーの純正パーツが装備されています。
社外オプションパーツとは、車体とは違うメーカーが製造し販売しているパーツのことです。
純正オプションパーツには、「メーカーオプション」と「ディーラーオプション」の2つに分けられます。
メーカーオプションとは、新車購入時に注文し車の製造ラインで装備してもらうパーツのことです。純正パーツの中でも価値が高いとされています。
ディーラーオプションとは、新車が届いてからディーラーでつけられるオプションのことです。
純正のオプションパーツは査定額がアップしやすい
純正オプションパーツのうち、メーカーオプションは車の生産ラインにおいて既に取り付けられています。そのため、希望しても後付けができないので非常に価値が高いと考えられています。
メーカーオプションが備わっていると、車売却時の査定においてプラス要素となり、査定額が上がる可能性も高いです。
それは、間違いなく自動車のメーカーが製造していることが証明されるので、品質に安心感があるからです。
また、メーカーが車体のデザインや他のパーツとのバランスを考えて作っているため、車のトータルデザインがまとまりやすく、人気や需要が高い傾向にあります。
純正パーツを社外パーツに付け替えた場合の査定額はどうなるの?
車を購入し、既に装着されている純正パーツを外して社外パーツに付け替えることも可能です。車にこだわりのあるカスタマイズ好きな方は行っていることが多いでしょう。
社外パーツに付け替えることで「見た目がスタイリッシュになる」「かっこよさが増して目立つ」という魅力もあります。また。パーツによっては機能性も良くなるので、運転しやすくなるといったメリットもあります。
社外パーツに付け替えると、パーツが人気ブランドのものだと車売却時の査定額が上がる可能性が考えられます。ただし、純正パーツでないと逆に査定のマイナス要素になるリスクもあるので、注意が必要です。
社外パーツであっても、逆に査定時にプラス要素となるものもあります。
例えば、誰もが知っている高価高品質で有名なブランドのエアロパーツやホイールなどです。また、年式や型式が最新で人気が高いカーナビや性能の良いドライブレコーダー、オーディオなども高額査定になるケースがあります。
高価で品質が良く、最新のパーツが予め装着されていたら喜ぶ買い手も実際にいます。自分で新しく購入して付けるよりも、既に装着されたものを使ったほうがお得感があるからでしょう。
買取業者側もそういったことを理解しているので、査定額に反映してくれる可能性が高いです。
買取業者は、買い取った車をできる限り早く中古車市場の流通にのせて、少しでも高く次の所有者に売却したいと考えています。
そのため、一部のマニアに喜ばれる趣味性の高い車は敬遠されがちです。逆に万人受けする状態のよいスタンダードな車は、人気車種なら少し査定を上げてでも手に入れたいと考えます。
さほどパーツ自体に価値がない社外パーツを取り付けている車は、購入者が限定されてしまうので購入を見送るか査定額のダウンが否めません。
また、カスタイマイズを自分で行った場合、技術が伴わない、または長年の使用でパーツが劣化した車は見た目には良いと言えないでしょう。
やはり車は見た目のデザインや統一性が求められるので、査定額が下がるかもしくは買い取りそのものが断られる可能性もあります。
外装や内装のみならず、エンジンルーム内や足回りのパーツが社外パーツに組み替えられているというケースもあります。
車の走行性能に関わる部分のカスタマイズは、安全性を脅かし、故障を招くリスクが高まるので買取不可になる可能性もあります。
もし買い取ってもらえたとしても、社外パーツを外して純正パーツに戻すための作業が必要となる場合があります。部品代や工賃がかかるので、その分を査定額から大幅に減額されてしまうこともあります。
査定前に社外パーツを取り外さないほうがよい場合
基本的に価値のある社外パーツ以外は、査定前に取り外して純正パーツに戻しておいたほうが査定額ダウンを防げます。
簡単に取り外せて痕も残らないパーツなら元に戻しておきましょう。ただし、もし取り外すことでボディや内装に跡が傷が残ってしまうなら取り外さないほうが無難です。
また、外さないほうが査定額がアップする可能性がある場合も同様です。無理に取り外すと逆に見た目が悪くなり、外したことで査定額が下がる可能性があるので気を付けてください。
買取業者は車を買い取る際に、社外パーツが付いている車でも再販の価値が見いだせれば、査定額をアップさせてでもゲットしたいと動きます。つまり、社外パーツが多く使われている車でも、その車の見た目や機能性にマッチしていれば問題ないということです。
例えば、軽自動車などは通勤や通学などに使えればよい、ミニバンなどはファミリーカーとして使いたいという購入者にとって、見た目にもかっこいいエアロパーツは価値が低いと言えます。
しかし、スポーツカーや見た目の重厚感やスタイリッシュさを売りにしているセダンや輸入車などは、カスタマイズが魅力アップにつながっている可能性もあります。そうなると必然的に査定額も上がりやすいと言えるでしょう。
そういったケースでは、逆に社外パーツをつけたままにしておいたほうがお得になるかもしれません。
社外パーツがついていると、査定額がダウンする可能性が高いことから無理に外そうとするのは危険です。
パーツを力まかせに外したり、剥がそうとすると、内装が破損したり、ボディに傷がついたりする可能性が高いです。さらに、取り外した跡や凹みなどが残ると見た目にも良いとは言えません。
特にエアロパーツはしっかり取り付けられているので、外すとなるとどうしても跡が残ってしまいます。ちょっとした取り外し跡は実は査定には大きく響き、マイナス査定になるリスクが高いのでやめておきましょう。
カスタムされた車というのは、車の一部だけでなくトータル的にかっこよくカスタムされている場合が多いです。
純正パーツが少なく社外パーツで揃えてあるため、一部の社外パーツだけを外すとバランスが悪くなってしまうリスクがあります。
統一感がなくなるので、逆にカッコ悪い印象になってしまい査定額が下がる可能性も考えられます。
売却前に社外パーツを取り外したほうがよい場合
取り付けた社外オプションパーツを査定前に外したほうがお得な場合もあります。
それは社外パーツ自体の価値が高く、外してパーツだけを売却したほうが高額買取が期待できるというケースです。
基本的に社外オプションパーツが簡単に外せて、純正オプションパーツに付け替えができる場合も当てはまるでしょう。
社外オプションパーツであっても、パーツ本体の価値が高く、外して個別で売却するほうがお得になる場合は、外したほうが良いでしょう。ただし、注意したいのが取り外しにかかる「工賃」です。
ドライブレコーダーやカーナビなどは機種によっては配線が多く、内装を剥がさなければ取り外せない場合もあります。そうなると、素人では傷つけずに取り外すのは難しいので、整備工場などの業者に依頼することになります。
業者に依頼すると工賃がかかるので、買取額によってはマイナスで損することにもなりかねません。
予め工賃と社外パーツの買取相場を調べ、得しそうな場合にのみ取り外して売却するようにしましょう。
社外オプションパーツの取り外しが割と簡単にできれば、業者に依頼せずに自分でやれるので工賃はかかりません。また、外装や内装にも傷がつかないように気をつければ、売却時の査定額に影響が出ることはないです。
簡単に取り外せる社外オプションパーツがついていると査定額が下がる可能性があれば、取り外したほうが良いでしょう。
その際、保管しておいた純正パーツに付け替えておくことを忘れないでください。純正オプションならばプラス査定になる可能性が高まります。
もし純正パーツを付け替えることができなくても、手元にあれば査定時に見せることで査定額の減額が防げる場合もあります。
査定額がアップしやすいパーツとは?
車のオプションパーツの中には、付いていると査定額がアップするものもあるのでチェックしておきましょう。
主に査定額が上がりやすいのが自動ブレーキなどの安全装置、カーナビ、サンルーフ、レザーシートなどです。
タイヤやアルミホイールに関しては、あまり査定に影響ないとも言われていますが、状態によっては査定額が増減するケースもあります。
車の安全装置は、査定額アップにつながりやすいオプションパーツと言われています。
安全装置には2つの種類があります。1つは交通事故を未然に防ぐための装置「アクティブセーフティー」もう1つは交通事故が起きてしまった時に被害を最小限に抑える装置「パッシブセーフティー」です。
アクティブセーフティーは、急ブレーキ時にタイヤのロックを防ぐアンチロックブレーキシステムや横滑り防止装置などが挙げられます。
パッシブセーフティーは、3点シートベルトやエアバッグなどです。
安全装置は、もはや標準装備として車に備わっているものも多いです。中でも衝突被害軽減ブレーキ、通称「自動ブレーキ」や「ペダル踏み間違い加速抑制装置」「車線逸脱制御装置」なども注目されています。
最新の安全装置に関しては、はっきりとした査定基準がないので各買取業者の独自の判断で査定の増額が決まる場合がほとんどです。
カーナビは次々と新しい高性能の機種が発売されるので、価格が変動しやすいのが特徴です。
明確な査定基準はなく、最新式の機種で1年落ちだと約50,000~60,000円ほど上乗せされます。2~3年落ちでは約40,000円、4~5年落ちでは約30,000円、6年以上経過していれば約10,000~20,000円のプラス査定になります。
社外パーツで高級メーカーのカーナビなら取り外して個別で売却するか、次の車に乗せ換えるほうがお得になることもあります。
ただし、純正パーツのナビを付けている場合は、取り外してしまうと逆にマイナス査定になるので注意しましょう。
エアロパーツとは、ボディ周りに取り付けるパーツのことです。「空気の流れを変えて走行性能を上げる」「冷却性能を上げる」「見た目をかっこよくドレスアップする」などの目的で装着されます。
エアロパーツはフロントとリア、両サイドなど場所によってパーツが決まっています。純正パーツで4方向の全てのパーツが揃っており、綺麗な状態なら査定ではプラスになる可能性もあります。
ただし、「塗装が剥げている」「傷や凹みがある」「破損している」場合は逆に査定額ダウンにつながるでしょう。
また、社外パーツの場合は「見た目があまりにも派手すぎる」「統一感がない」と判断されると査定額が減額となる可能性もあります。
タイヤのアルミホイールは、インチ数や経過年数によって査定額が変わる場合があります。
例えば、17インチで1年落ちだと、査定では約70,000円上乗せされる程度です。2~3年落ちでは約50,000円、4~5年落ちでは約30,000円、6年以上経過していれば約10,000円のプラス査定になる場合があります。
14インチで1年落ちだと、査定では約40,000円上乗せされる程度です。2~3年落ちでは約20,000円、4~5年落ちでは約10,000円のプラス査定です。6年以上経過していれば0円になります。
基本的に国が定めて安全基準のJWL、VIAマークがついており、傷などもなく状態が良いものが4本のセットであることが条件です。
タイヤに関しては、溝の深さやインチ数で査定額が増減します。溝は1.6㎜未満だと査定額が減額、1.6㎜以上でも5㎜以上なければプラス査定にはなりません。ただし、プラスと言っても数千円程度なので、大幅な査定額アップは望めないでしょう。
サンルーフとは、車の天井部分に取り付けられた開閉可能な窓のことです。「走行中に空が見える」「光が差し込んで明るくて温かい」「窓を開けると解放感がある」などのメリットがあります。
サンルーフは純正オプションパーツで、装備されていると高級感があります。中古車でも比較的需要が高いパーツの1つです。
そのため、車売却時の査定ではセダンやミニバンの1年落ちで約70,000円アップです。2~3年落ちで約50,000円、4~5年落ちで約30,000円、それ以上で約20,000円の査定額アップが狙えるとされています。
コンパクトカーでは1年落ちで約30,000円、2~3年落ちで約20,000円、4~5年落ちで約10,000円のプラス査定になるとされています。
逆にサンルーフが故障していて開閉できないとなると、査定額が減額される場合が多いので注意しましょう。
本革もしくは人工皮革が素材となったレザーシートは、高級感があって見た目にも洗練された印象があります。さらに、純正パーツであるため査定額アップとなるケースが多いです。
ただし、両側のみレザーのコンビシートは、査定額増額にはならないので注意しましょう。
電動リクライニングやシートヒーター機能がついていれば、さらに査定額が上がる可能性があります。
セダンやミニバンでは1年落ちで約90,000円、2~3年落ちで約50,000円、4~5年落ちで約30,000円の査定額です。それ以上だと約20,000円の査定アップが狙えます。
軽自動車やコンパクトカーでも1年落ちで約40,000円、2~3年落ちで約30,000円、4~5年落ちで約20,000円の査定額です。それ以上だと10,000円ほど通常より査定額が上がるとされています。
損傷が激しく破損しているような場合は逆に査定額が減額となるので、気を付けましょう。
車を売却する際にパーツを外すかはよく考えて決めるべき
車の純正オプションパーツがついていれば、売却時の査定額はアップしやすいと言えます。
社外オプションパーツであっても、機能性や人気が高く、高級メーカーのものだと需要があるのでプラス査定になる場合もあります。
ただし、社外品の価値が低いものだと装備されていることで再販しづらくなり、逆に査定額が下がるケースもあるので注意が必要です。
また、外して純正品に付け替える際に傷がついたり、工賃がかかったりすることもあるので結果的に損する可能性も否めません。
社外品の場合、外すかつけたままにするかを十分に考えてから決めることをおすすめします。