車を売却する際は、年式や走行距離などによって買取額に違いがあります。その他にも車種やメーカー、ボディカラーなどによっても価格に差が生じます。
これから車を購入して数年後に買い替えることを視野に入れている方や車の売却予定がある方などは、どのような車が高く売れるのか知っておくと役立つでしょう。
同じ車種でもメーカーによって中古車としての価値、リセールバリューも異なるので参考にしてください。
また、リセールバリューが高い車の条件も紹介していきます。
車の売却価格は車種によって異なる
車の売却価格は、中古車市場で人気のある車種ほど高くなります。
人気が高い車種はよく売れるので、回転率が高いです。そのため、買取業者は在庫を確保したいので少し高くても買い取りたいと思います。
同業者に持っていかれたくないため、相場もどんどん値上がっていく傾向にあります。
どんどん売れるので利益を上乗せしなくても、たくさん仕入れて数を売り、利益を上げるという手法に出るでしょう。
人気の車種は買取額を左右する重要な要素とされているのです。
車を売却する際は、どのメーカーのどの車種が人気が高いか、中古車市場で需要が高いかを知っておくことをおすすめします。
リセールバリューとは?
車を売却する際に「リセールバリュー」という言葉を耳にする方も多いでしょう。
このリセールバリューとは、再販価格のことです。新車として購入した車を数年後に中古車として売却する際の下取り額、新車の残価率を意味します。
リセールバリューは、新車で購入してから年月が経過するごとに下がっていくのが一般的です。数年後に再販する際に、新車の価格と比べてどのぐらいで売れるのかを示しています。
自分の車のリセールバリューがいくらなのか、売却する前に知っておくと役立ちます。
リセールバリューが高い車の条件
リセールバリューが高い車には条件があります。
例えば、中古車として売却する時点で新車も販売中であり、新車での人気が高い車です。
さらに、車のモデルチェンジのタイミングにも関係していきます。モデルチェンジ直後の車は人気が出るので、中古車としても高値で売れる可能性があります。
また、丈夫で壊れにくい車であったり、海外に輸出されることも考えて海外でも根強い人気を持っている車なども挙げられます。
新車でも販売しており、人気が高くて納車までにかなり待たされるという車種もあります。
そういった人気車を「すぐに欲しい!」と思い、新車での納車が待っていられないため、中古車でもいいから手に入れたいと思う方もいます。
そして、リセールバリューが高くなるのです。
また、中古車であれば新車では高くて手が出せない方でも購入できます。状態が良ければ高く売れる可能性もあるでしょう。
人気の車種は、定期的にモデルチェンジが行われることがあります。
モデルチェンジをすると、モデルチェンジ前の車は型落ちと呼ばれ、中古車としての価値は下がります。
コンパクトカーやエコカーはモデルチェンジすると買い替えるオーナーが多いので、価格が下落しやすいと言われています。
逆にスポーツカーや高級車はこだわりが強い方が所有することが多いので、モデルチェンジしたとしても中古車の価格は左右されにくいのが現状です。
モデルチェンジからさほど年数が経過していない車はリセールバリューが高いので、査定額が高くなる可能性があります。
ただし、モデルチェンジ後の車のデザインや乗りやすさなどの評判があまり良くないと、中古車としての価値が下がってしまう場合もあるので注意しましょう。
モデルチェンジをすると、一般的に旧モデルの車は中古車としての価値が下がることが多いです。
しかし、中にはモデルチェンジの影響を受けにくい車種があります。それが事業用のバンやトラックなどです。
もともと仕事で使うための車なので、デザインや乗り心地にこだわるというオーナーが少ないという理由もあります。
中古車市場での需要の高さは変わらないので、モデルチェンジに査定額が影響されにくいのです。
中でもトヨタのハイエースは人気が高く、値崩れしにくと言われています。
また、モデルチェンジのサイクルが長い、モデルチェンジしても外見がほぼ変わらない車もリセールバリューが高いとされています。
SUVやスポーツカーなどは嗜好性が高い車で、移動手段というよりは趣味で所有しているという方も少なくありません。コアなファンがいるため、リセールバリューも高いとされています。
状態によっては、新車で購入した時よりも中古車として売却するほうが値段が高くつく場合もあるくらいです。
中でもトヨタのハリアーやスズキのジムニーなどは新車で購入し、中古車として売却するのに残価率も高いと言われています。人気が根強く納車までに長期間待たされることもあるので、中古車の値段もなかなか下がらない車です。
丈夫で耐久性に優れた車は、国内のみならず特に海外での人気が高まっています。
メーカーによっても人気に差が見られますが、世界的にも名を馳せているトヨタ車は、性能が高く壊れにくいと海外での評価も高いです。
海外の人は車のルックスのかっこよさや可愛らしさよりも、とにかく性能が良くて長持ちする車を好みます。
車は高価な買い物になるので、できれば途中で故障せずに長く乗りたいと考えています。また、多少見た目に傷や凹みがあっても、日本人ほど気にしないという方も多いです。
トヨタ車は他のメーカーと比較すると、同じ車種であってもリセールバリューが高い傾向にあります。中でもミニバンやSUVは人気です。
アジア圏では中古でもいいのでトヨタ車を所有したいという方が多く、中古車の価値が高まっています。
中古車は国内市場のみならず、海外にも輸出して市場で売り出す販売ルートを確保している買取業者も少なくありません。
国内市場では人気があまりない車種であっても、海外では人気が高い車種というのも存在します。
例えば、トヨタ車は海外では耐久性があって性能が良いので、車種を問わず人気が高いです。中でもランドクルーザーは中東やアフリカなどで需要が高く、お金持ちがステータスとして購入することもあります。
マツダや日産などの有名メーカーも、海外で高い人気を誇る車種があります。
年式が多少古くても、走行距離は多くて国内市場では敬遠されがちな車であっても、海外人気が高い車種はリセールバリューも高くなる傾向にあります。
車のボディカラーによっても、リセールバリューが異なることが多いです。
買取業者は、JAAI(一般財団法人日本自動車査定協会)が定める査定基準を参考に査定を行っています。その査定基準にはボディカラーも入っています。
リセールバリューが高いボディカラーは、ホワイトやブラックです。
ホワイトはパール系が特に人気で、光沢感に優れている塗料だとより人気が高いとされています。
グレー系シルバーやシルバーメタリックもホワイトなどに次いで人気があるボディカラーです。
また、車種によってはその個性をアピールするためのイメージカラーというものが存在します。
例えば、ブルーやグリーンなどの個性的な色も、この車にはこの色というように車のイメージにピッタリ当てはまるカラーなら、リセールバリューは高くなるのです。
中古車市場でも、車種が同じであっても色の違いで値段が異なる場合があります。人気色の車を所有していれば、売却時に他の色よりも高く売れる可能性が高いです。
売却価格(リセールバリュー)が高い車種ランキング
中古車としての価値の高い車のランキングにおいて、1位はSUV、2位はミニバン、3位は軽自動車という順になっています。以下、コンパクトカー、スポーツカー、セダンという順で続いています。
同じ車種であってもメーカーによってリセールバリューには結構な差が生じています。中でもトヨタは比較的どの車種でも人気が高く、リセールバリューが高い車が多い印象です。
また、輸入車の中でもポルシェやベンツ、BMWを中心としてドイツ車の人気や需要が高いとされています。
以下では、どのような車がリセールバリューが高いのか見ていきましょう。
リセールバリューが一番高いとされる車種は、SUVです。
凸凹道や山道などで走行できるように作られていますが、見た目のかっこよささや旋回性能の高さなどから街乗りで普段使いする方も増えています。
モデルチェンジ後も人気が高いので、値段の影響をあまり受けない車が多いのが特徴です。
SUVの中でもダントツ人気なのが、トヨタのランドクルーザーやランドクルーザープラドです。国内のみならず、海外でも高い人気を誇っています。
3年落ちでも購入価格の約7割、5年落ちでも購入価格の半分程度の価値がつく場合もあります。
さらに、レクサスRXやレクサスLX、ハリアーやハリアーHVなども人気です。
他にも2019年に販売終了してしまった三菱のパジェロなども、リセールバリューが高い車として知られています。
ファミリーカーとして子育て世代から支持を受けているミニバンも、SUVに次いでリセールバリューが高い車種と言えます。
SUVは改良され、座席数が増えて荷物も多く乗せられるようになっています。外装もスタイリッシュでかっこいいので男性に人気が高く、ミニバンの代わりにファミリーカーとして購入するという方も増えました。
しかし、ミニバンはスライドドアなので、子供や荷物を載せるには便利ということで買い求める方がまだまだ多いです。
ミニバンの中ではトヨタのアルファードやヴェルファイアがダントツの人気です。
他にもヴォクシー、エスクァイア、ノア、日産のセレナなどもリセールバリューが高い傾向にあります。
軽自動車は、車両本体価格や税金が普通車よりも安く、中古車市場でもよく売れるのでリセールバリューも高めです。また、普通車よりも小回りが利いて燃費も良いので好まれます。
中でも人気なのがスズキのジムニーで、コアなファンも多く、年式が古くてかつMT車のほうがむしろリセールバリューは高いと言われてています。
また、ダイハツのタントカスタムやホンダのNBOXシリーズも根強い人気です。天井が高めのハイワゴン系なので、車内空間が広くて荷物が乗せやすいのが特徴となっています。
また、両サイドオートのスライドドアだと子供の乗り降りがしやすいため、ファミリー層にも人気です。
ターボ搭載だと馬力があるので、リセールバリューも高くなります。スズキのジムニーは軽自動車のSUVですが、ルックスも可愛らしく女性にも好まれるということで中古車市場でもよく売れています。
コンパクトカーは、軽自動車では大きさが不十分だけど、普通車の大きさは苦手という方に性別問わず好まれやすいです。
ただし、軽自動車やミニバンほどリセールバリューは期待できないとされています。車内空間がそれほど広くないため、ファミリー層にはあまり人気がないのが要因の一つと考えられています。
コンパクトカーは新車をできる限り安く購入し、売却するまで長期間乗るという使い方が理想的だと言えるでしょう。
コンパクトカーの中では、トヨタのアクアがハイブリッドカーということもあり人気です。
また、ヴィッツから名称が変わったヤリスやフルモデルチェンジ後のホンダのフィットなども、コンパクトカーの中では比較的リセールバリューが期待できる車です。
スポーツカーは趣味性の高い車なので、車や運転が好きでこだわりのある方に好まれる車種です。
他の車種とは違って、プレミア感が高く限定モデルや生産数が限られている車は、新車よりも高い場合もあるため、リセールバリューが期待できます。
スポーツカーの中でも日産のGT‐Rは国内外でも高値がつきやすい人気の車です。
三菱のランサーエボリューションもリセールバリューが高く、最終型のランサーエボリューションXはMT車でコアなファンに人気です。
その他にも、スバルのインプレッサWRX、ホンダのシビックタイプR、ホンダのNSXなども中古車市場での需要は高いとされています。
セダンは街乗りにはあまり適さないですが、ルックスのかっこよささから主に車好きの男性に好まれる傾向にあります。
セダンというと、高値がつきやすいのはいわゆる高級セダンと呼ばれる車で、シーマやクラウン、レクサスのセダン(LS,GS,IS)が挙げられます。
しかし、高級セダンは新車価格は高いですが、中古車市場での人気は思ったよりも高くないため、リセールバリューが期待できないのが現状です。
リセールバリューが比較的高い部類のセダンは、エコカーとしての知名度が高いトヨタのプリウスやカローラ、海外で好まれやすいカムリでしょう。
売却価格が高くなる装備
リセールバリューは、車種やボディカラーが重視されますが、車にどのような装備が備わっているかも重要なポイントとなります。
一般的にリセールバリューが高くなるのは、サンルーフやパワースライドドア、カーナビなどの装備がある車です。
メーカーオプションになりますが、本革のシートやエアロパーツをフル装備すると、国内のみならず海外の中古車市場での価値もぐっと高まります。
近年は車の性能も良くなっていますが、交通事故防止の観点から安全装備の需要も高まっているため、「衝突被害軽減ブレーキ」や、車間距離を自動的に調整してくれる「アダプティブクルーズコントロール」といった装備がついた車もプラス査定になりやすいでしょう。
ただし、こういった装備はメーカーの純正パーツが好まれます。
新車で購入後に社外品でカスタマイズした場合は、純正パーツも保管しておいて、査定時に出せるようにしておくことをおすすめします。
売却にはタイミングも重要
車を少しでも高く売却するには、タイミングも重要なポイントになります。
中古車市場で需要が高まるのは、業者の決算期である3月や9月です。少しでも利益を上げようと車の買い取り、販売が積極的に行われます。
特に人気の車種ならやや高値でも在庫を増やしたいと業者は考えるので、通常よりも査定額が高くなる可能性があるでしょう。
また、4月は就職や進学などで車を新たに購入するという方も増えるので、その前の2月3月も需要が高まる時期になります。
車検の有効期限が切れる前や、走行距離が100,000㎞に達する前なども売却のタイミングだとされているので、チャンスを逃さないように売り時を見極めることも大事です。