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車は日常生活を便利にしてくれる乗り物です。通勤や通学、レジャーなど様々なライフスタイルで活躍しています。では、車を生涯利用していくとどのぐらい費用がかかるのでしょう?
車はずっとの乗り続けることができないため、何度か乗り換える費用や維持費もかかります。
この記事では、車にかかる費用が年間、生涯でどのくらいか維持費の項目も確認しながら詳しく解説していきます。
車を所有する場合は購入額だけではない
新しく車を購入する際、どうしても車両価格に目がいってしまいます。しかし、実際は車を維持するための費用がかかります。
例えば、車を使用する際に必要なガソリン代や駐車場代、各種保険費用、税金、車検など月払いや年間でまとめて支払うものなど様々です。
その点について知っておくことで、無理なくカーライフを楽しむことができるでしょう。車を所有する際は購入額だけでなく、維持費も含めて車選びを行うことが大切です。
車にかかる維持費の内訳について
それでは、車にかかる維持費は具体的にどのようなものがあるのでしょう?思っていたよりも種類が多くて驚くかもしれません。
ここからは、その維持費の内訳について詳しく説明していきます。
車にかかる維持費の1つ目は「各種税金」です。
車を所有すると、自動車税(軽自動車の場合は軽自動車税)と自動車重量税がかかります。
自動車税は普通乗用車だと排気量に応じて税額が変化します。軽自動車税に関しては一律の料金となります。
車の所有者には納税時期である毎年5月に納付書が送られてきますので、コンビニや金融機関などで納付することができます。納税しないと車検を受けることができないので注意しましょう。
自動車重量税は車両重量に応じて金額が変化します。軽自動車はこちらも一律の料金です。車検の時に前払いで納付します。
どちらの税金も車が大きくなればなるほど金額が高くなります。環境に優しい車であれば自動車税は減税されるので、知っておくと良いでしょう。
さらに、登録年数が13年経過すると増税されます。その理由は性能の良い車に乗り換えをして環境に適した車の使用を奨励しているからです。経過年数の基準を設けて増税することで、新しい車の購入を促すようになっています。
2つ目は「自賠責保険」です。別名、強制保険と言われています。
自賠責保険は人身事故に備えて全ての車に加入が義務付けされている保険です。そのため、保険会社がどこであっても保険料は同じ金額になっています。
支払うタイミングは基本的に車検の時ですが、新車を購入する際は車の購入代金と一緒に3年分の保険料を前払いします。それ以降は継続の2年分を車検時に支払います。
自賠責保険の補償内容は、被害者の死亡による損害で最高3,000万円、後遺障害による損害で最高4,000万円、傷害による損害で最高120万円です。それ以上の補償をするには任意保険を利用することになります。
3つ目は「任意保険」です。
自賠責保険は対人事故に関して最低限の補償になっているため、それだけでは不十分だとされています。そこで、補償内容を手厚くするために任意保険の加入が必要となります。
任意保険は搭乗者の怪我や相手側の補償だけでなく、自分の車に対する補償も追加することができます。保険料は車種や年齢、補償内容によって異なるので、自分の状況に合ったものを選びましょう。
4つ目は「車検費用」です。
車検は新車登録であれば3年後、継続検査は2年後と決まっています。
車検が通らなければ、公道を走行することができません。車検の目的は安全基準を満たしているかを確認することなので、安全に走行するためには必要不可欠です。
車検を通す際は、ディーラーやガソリンスタンド、カー用品店などに依頼することができます。
費用の内訳は「法定費用」と「基本検査費用」に分かれています。一般的にディーラーが一番高く、カー用品店や車検専門店は安くなる傾向があります。しかし、車の状況によっては交換や修理が多くなるケースもあります。その場合は上乗せで料金がかかるので注意しましょう。
車検費用は車を乗り続ける際に維持費として必要です。乗用車の場合は2年で継続検査をするため、まとまった金額がかかります。そのため、車検の時期を確認し、費用の事前準備を行うことが大切です。
5つ目は「メンテナンス費用」です。
車は車検とは別に12ヶ月ごとに法定点検を受けることになっています。法定点検で破損や故障箇所がないかを確認し、不具合があれば部品交換も行います。
また、法定点検以外にもオイルやタイヤの交換なども定期的に必要です。特に消耗品や整備費用は車の状況によって不規則にかかることがあるため、資金に余裕があると安心でしょう。
また、使用年数が経過していると車の部品の劣化が進みます。修理や部品交換も頻度が高くなるので注意が必要です。
6つ目は「駐車場代」です。賃貸やマンションであれば毎月費用がかかります。
全国的な駐車場代の目安は毎月約8,000円ですが、都心なら30,000円以上かかるケースもあります。
駐車場代は車を維持するためには必要な費用となるため、車を購入する前に自宅の近隣駐車場代がいくらになるか確認しておくと良いでしょう。
また、駐車場のスペースが狭く、その範囲内に収まらない大型車を購入すると駐車場代が2台分になることがあります。スペースも事前にチェックしておき、駐車する車の大きさがどの程度まで可能か知っておくことも大切です。
自宅に駐車場を用意できるのであれば、駐車場代はかかりません。その分、車の購入費用に充てることができるでしょう。費用のバランスを考えておくと、購入予算も立てやすくなります。
7つ目は「ガソリン代」です。
燃料費は使用する頻度によっても大きく異なります。それほど走行距離が増えない場合や燃費の良い車であればそれほどかかりませんが、通勤で使用したり、長距離運転が多かったりする場合は費用がかかるでしょう。
近年ではガソリン価格も高騰しており、以前よりも燃費が良い車が重宝されています。最近の新車の燃費に関する技術向上は古い車に比べて効率が飛躍的に良くなっています。さらにハイブリッド車も多くなっており、環境問題に適応した車作りをしている車が税金面でも優遇されています。
月々の走行状況に応じて、余裕を持って見積もっておきましょう。
8つ目は「ローン返済費」です。
車を現金で一括購入した場合であればローンはかかりませんが、ローンを組んで購入すれば月々の返済費用がかかります。
購入時の車の値段や金利、頭金の状況に応じて返済額は変わってきます。車の維持費も考えつつ、余裕を持った支払金額にするのが無難でしょう。
年間にかかる車の費用について
車の維持費の内訳についてお伝えしてきましたが、年間でどのくらいかかるのか目安を知っておくことで、車を維持する際に役立つでしょう。
ここからは、年間の車にかかる費用について詳しく解説していきます。
実際、軽自動車と普通自動車ではどのぐらい年間費用に差が出るのか、一例を挙げてみます。今回の普通自動車はコンパクトカーを基準にして、年間費用を算出します。
- 軽自動車(重量890kg、総排気量660cc)を想定
- 登録経過年数5年の中古車を購入(税金の優遇措置なし)
- 燃費はガソリン1Lあたり20km、年間走行距離10,000km、ガソリン代は1Lあたり160円を想定
- 駐車場代は月13,000円で算出
- 保険料は、契約条件により異なるので一例として計上
軽自動車税 | 10,800円/1年 |
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自動車重量税 | 6,600円/2年(1年間3,300円) |
自賠責保険 | 19,730円/2年(1年間9,865円) |
車検費用(法定点検料も含む) | 約80,000円/2年(1年間40,000円) |
駐車場代 | 156,000円 |
消耗品費 | 約60,000円 |
ガソリン代 | 80,000円 |
任意保険料 | 約42,000円 |
概算年間費用合計:401,965円
- 普通自動車(重量1100kg、総排気量1496cc)を想定
- 登録経過年数5年の中古車を購入(税金の優遇措置なし)
- 燃費はガソリン1Lあたり15km、年間走行距離10,000km、ガソリン代は1Lあたり160円を想定
- 駐車場代は月13,000円で算出
- 保険料は、契約条件により異なるので一例として計上
自動車税 | 34,500円/1年 |
---|---|
自動車重量税 | 24,600円/2年(1年間12,300円) |
自賠責保険 | 20,010円/2年(1年間10,005円) |
車検費用(法定点検料も含む) | 約100,000円/2年(1年間50,000円) |
駐車場代 | 156,000円 |
消耗品費 | 約70,000円 |
ガソリン代 | 106,666円 |
任意保険料 | 約60,000円/1年 |
概算年間費用合計:499,471円
軽自動車と普通自動車の年間費用の差は、今回のケースで10万円程度あります。これはもちろん一例ですが、軽自動車は普通自動車に比べて維持費が安くなることが分かります。
また、車の排気量や総重量、エコカー減税などが加味されると費用も変わってくるでしょう。
年間費用で変化する項目として「排気量」と「車両重量」が大きく影響していきます。先ほど算出した軽自動車と普通乗用車を比較しても、自動車税で3倍、自動車重量税でも4倍近く変わります。そのため、車の維持費を抑えたい場合は軽自動車がおすすめです。
しかし、家族構成や車の用途に基づいて、購入したい車種も異なるでしょう。維持費だけを基準に車選びをすることは難しいかもしれません。
車を生涯乗り続けた時の概算総額について
生涯、車を乗り続けたと仮定した場合、概算費用はどのぐらいかかるものなのでしょうか?
車を何度か購入し、年間維持費を加えた場合、かなりの金額になるのは想像できます。
ここからは、概算の総額をシミュレーションしていきます。
それでは、実際に20歳~70歳まで50年間、車に乗り続けると概算総額はどのぐらいになるのでしょうか?
先ほど算出した年間維持費に追加して、車の購入額も入れて概算していきます。
- 軽自動車150万円を7年(下取り20万円)で乗り換えすると仮定
- 税金に関しては、現状の金額で算出
- 年間維持費を40万円で算出
車両購入費
50年÷7年=7.14回×130万円=928万円
年間維持費
40万円×50年=2,000万円
概算総額:2,928万円
- 普通自動車240万円を7年(下取り40万円)で乗り換えすると仮定
- 税金に関しては、現状の金額で算出
- 年間維持費を50万円で算出
車両購入費
7.14回(50年で7年おきに買い替えた場合の回数)×200万円(下取りを差し引いた金額)=1,428万円
年間維持費
50万円×50年=2,500万円
概算総額:3,928万円
50年乗り続けると、このケースでは軽自動車で約3,000万円、コンパクトカーで約4,000万円かかる計算になります。これは、郊外で一戸建て住宅を購入できる金額に匹敵します。もちろん、車種や車の利用方法によっても大きく変化しますが、数千万単位の出費がかかることは知っておきましょう。
車の維持費を抑えるために必要な項目は?
ここまでで、車を維持するには様々なお金がかかることを説明してきました。では、そういった費用を抑えるためにできることは何かあるのでしょうか?
以下では、車の維持費を抑えるために必要な項目を5つ紹介します。
維持費の安い車を購入すれば、年間にかかる費用を抑えることができます。例えば、燃費が優れている車や環境に優しい車を購入すれば、燃料費や税金面でも優遇されるため維持費の節約につながります。
エンジンの故障が車の修理費で高額になるケースが多いため、エコドライブ(前の車と車間距離を取り、加速と原則を少なくする等)を実施しましょう。
定期的なメンテナンスを行うことで、車の異変にいち早く気づくことができます。その結果、車を長持ちさせることができるでしょう。
新車に比べて中古車は一般的に安く販売されているため、優良中古車を購入することで購入費を節約することもできます。
カーリースは、月々の費用を支払えば車検費用やメンテナンス料もリース会社が持ってくれるため、気軽にカーライフを楽しむことができます。面倒な手続きを行うことなく利用できる点がメリットですが、走行距離が限定されていたり、途中解約する際に違約金を一括で支払ったりする必要があるため、自分の使用方法に適しているか確認してから契約を行うようにしましょう。
ライフプランに応じた車選びが大切
車を生涯使用していくと、一番安い軽自動車を乗り続けたとしてもかなりの金額がかかることが分かったかと思います。実際、生きていく中で、就職や結婚、子供の出産や転勤などによって生活様式が変化していくこともあるでしょう。
その際、家族の人数に合わせた車の大きさや乗車定員も加味して、車を乗り換える必要性も出てきます。それ以外にも、通勤で使う場合であれば車を所有するにあたって、影響を与えることも考えられます。
例えば、家庭を持ち子供がいる場合、複数車を所有するケースとして通勤用は軽自動車、家庭ではミニバンにするようにしてコストを抑えることも必要になるでしょう。また、交通の便が良い地域であれば自家用車を1台所有するなど、結果的に無駄のない車選びを行うことが将来的に維持費を減らし、節約できる状況になると言えます。
自分のライフプランを考えた車選びを行い、ゆとりのある費用体系で車を維持していくと良いでしょう。