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ドライブしながら音楽を楽しみたい時、純正スピーカーでは満足できず、より音質のいいスピーカーへ交換する場合があります。自分好みのスピーカーへ交換した車を売る時は、スピーカーを元に戻したほうが買取り査定は有利なのでしょうか?
この記事では、車のスピーカーを交換した際にそのまま売却に出したほうがいいのか、純正に戻すべきかについて詳しく解説していきます。また、スピーカーを単体で売る場合の大まかな買取相場も紹介するので参考にしてください。
音にこだわりがある方ほどスピーカーを交換する
「音楽が好き」「ドライブ中に質の高い音を楽しみたい」など、音楽にこだわる方ほどカースピーカーは自分の好みのものに交換する傾向にあります。それは、純正スピーカーに比べて社外品のスピーカーには、あらゆるメリットがあるからです。
ここからは、スピーカーを交換すると期待できるメリットについて詳しく紹介していきます。
カーナビの道案内など、必要な音を聞くだけなら純正スピーカーで十分なので、わざわざ社外品に交換する方は少ないでしょう。
純正スピーカーはコスト削減を優先しているため、音質はあまり重視されていません。そのため、質の高い音を求める方は、音質の良い社外スピーカーに交換することがあります。
純正スピーカーのほとんどが安いペーパーコーンを使用し、再生音域の狭いミッドレンジスピーカーになっているので、筐体の軽さが走行時の振動に負けて音が濁り、出力も低いために大きな音量では割れてしまうのです。
再生能力の高い社外スピーカーへ交換すると、音域が広く大きな音もきれいに聞こえます。しかし、純正スピーカーの中にはオーディオシステムのついたものがあり、交換するとそのシステムを乱す原因となる場合があるため、事前に確認してから交換しましょう。
純正スピーカーは音が聞こえればいいという前提でできており、社外スピーカーは音をじっくりと聴いて楽しむ目的で作られています。そのため、社外スピーカーは純正より広い音域の再生が可能で、よりよいバランスの音を楽しめます。
低音と高音でその違いははっきりし、純正スピーカーでは再生できない音を出せるところが社外スピーカーの特徴です。スピーカーを丸ごと替えなくても、純正ミッドレンジスピーカーに社外ツイーターをつけると高音域の再生が可能になります。
自宅などで音質の良いオーディオ機器を使う方ほど、音域の広いスピーカーが欲しくなるでしょう。
購入時と異なるスピーカーはそのまま?元に戻す?
購入時についていたスピーカーの音に満足できず、交換した場合、車を買取り査定に出す時にそのままでいいのか疑問に思うかもしれません。元のスピーカーにつけ直したほうがいいのかどうか解説します。
購入時のスピーカーが純正で社外品に交換した場合は、純正スピーカーへ戻しましょう。
購入時、特に新車の状態に近いほど買取額は上がりやすくなります。使える状態の純正スピーカーが保管してあれば、カー用品店などで交換してもらうことをおすすめします。
配線が複雑で失敗するとスピーカーが壊れるといった危険があるため、交換はプロに任せたほうが安心です。交換には工賃が必要となるので、純正スピーカーへ戻した場合の査定額と比較し、検討が必要です。
工賃が高いと純正スピーカーに戻した分は損になるので、交換せずに売った場合と純正スピーカーへ戻して売った場合の金額を比べてから、元に戻すか考えましょう。
車の購入後に付け替えたスピーカーが高級品の場合、購入時のスピーカーへ戻し、外した高級品は手元に残したほうが得することがあります。
車の買取査定額はスピーカーも含めた金額となりますが、高級品だからといって買取額がアップするとは限りません。スピーカーが壊れておらず、使えるかだけをチェックするので、初めにあったスピーカーへ交換し、高級品のスピーカーは別で売ったほうが高く売れる可能性があります。
外した高級なスピーカーは価値の分かる専門店で査定を受け、納得のいく価格で売りましょう。日頃からオークションを使っている方は、スピーカーを出品して売る方法もあります。
スピーカーを交換をする場合、電気系統に影響する恐れがあるため、プロへ依頼しましょう。
業者に頼むとなると工賃が必要です。スピーカーを交換した場合の買取査定額やスピーカー自体の買取額が工賃を下回るようであれば、交換せずにそのまま売ったほうがお得になります。
スピーカーの交換は、カーディーラー・カー用品店・自動車整備工場に依頼できる店舗が多いです。ただし、店舗で扱えないスピーカーの交換は対応できない場合もあるため、事前に交換作業ができるかどうか問い合わせましょう。
専門性の高い店舗ほど工賃が高い傾向にあるので、求めるノウハウの高さや工賃の予算などにより依頼先を選ぶことをおすすめします。
付け替え工賃の相場は以下になります。
- カーディーラー…約10,000~20,000円
- カー用品店…5,000~7,000円前後
- 自動車整備工場…約4,000~10,000円
カーディーラーは作業時間によって工賃が変わるため、交換が簡単なスピーカーは工賃が安い傾向にあります。カー用品店は店舗や店の系列により差があり、持ち込みのスピーカーへの交換は高額になる可能性があります。
自動車整備工場も工場ごとに工賃は幅があり、オーディオの取り付けが得意な工場の場合は安いでしょう。
依頼先を決めてもすぐに持ち込まず、先に相談して工賃の目安を聞いてから交換を依頼しましょう。また、今車についているスピーカーを交換した店舗へ相談するとスムーズでしょう。
スピーカーを外したままでも車は売れる?
購入時にあったスピーカー、後付けしたスピーカーのどちらも外し、スピーカーがないまま車を買取り査定に出したら査定額はどうなるのでしょう?
この場合、車を買い取ってもらえる可能性はありますが、マイナス査定になります。スピーカーのないままでは買い手がつきにくく、買い取った業者または次の購入者が改めてスピーカーをつけなければなりません。
ディーラーのオプション品や新しい市販品、ハイスペックモデルのスピーカーは、外して車と別で売ったほうが高値のつく場合があります。しかし、純正スピーカーは他で売っても買取不可となる場合多いです。(生産が終了した昔の車の場合は、買い取ってもらえることもある)
車のスピーカーを交換するときの注意点
買取り査定を受ける前に車のスピーカーを交換しようと思ったら、以下の2点に注意しましょう。スピーカーを壊さず、正常に作動させるためにも守るべきポイントです。
スピーカーを元に戻す時は、後付けしたスピーカーの購入店へ頼むとスムーズです。他の店舗に持ち込んでスピーカーの交換依頼をすると、持ち込み料金が発生し工賃が高額になる恐れがあります。
自店舗で扱うスピーカーは商品の知識や交換の経験があっても、他店舗で購入したスピーカーでは、作業内容などを確認する手間がかかります。取り付け慣れた製品以外は時間がかかることもあるため、工賃が上がりやすくなっています。
また、持ち込んだスピーカーだと保証がないというデメリットもあるため、交換はスピーカーの購入店で行うのが安心です。
初めについていた純正スピーカーへ戻す際は、社外品より複雑な配線があるためプロに任せましょう。中古車で初めは社外品がついており、好みのスピーカーへ交換する時も、できればプロに頼んだほうが安全です。
インターネット上にスピーカーの交換方法を解説したサイトがありますが、自分の車と同じタイプがあるとは限りません。
電気系統の知識と技術がなければ、スピーカーだけでなくカーオーディオの故障も招く恐れがあります。そのため、交換する際はスピーカーの購入店などのプロに依頼するようにしましょう。
カースピーカーの買取相場
カースピーカーは単体だとどのくらいで売れるのでしょう?
ここからは、スピーカーを製造するメーカーの特徴と代表的なスピーカーの買取相場を紹介します。中古車を売る前にスピーカーの交換を考えている方は、工賃と買取価格の相場を比べてみてください。
ケンウッドの前社名はトリオで、当時は国産オーディオ御三家の一つに数えられました。ケンウッドと社名変更した後はオートモーティブ部門が主力になり、スピーカーなどカーオーディオやカーナビ、ドライブレコーダーなどが本業の企業となっています。
ケンウッドのスピーカーの特徴は、全体的にまとまった音です。細かい音を再現してもドライブ中に音楽へ集中することは難しく、ドライブにちょうどいい、かつ純正スピーカーより質の高い音楽が楽しめます。
ケンウッド製スピーカーの買取相場は、品番や状態にもよります2,000~8,500円程度です。スピーカーを交換する際の工賃によっては、赤字となる買取額のため、交換せず買取り査定を受けることも検討しましょう。
アルパインは2020年3月までカーオーディオや情報通信機器メーカーでしたが、その年4月に会社分割し、アルプスアルパインへ継承しました。アルパインは、ベンツやBMWなど高級車の純正オーディオも手掛けており、5本線が斜めのストライプ状に並んだロゴマークが特徴です。
スピーカーは中音域と高音域の解像度が高く、抜ける伸びやかな音で、曲によってはまるで大ホールで聴くような気持ち良さが味わえます。高い品質を目指して作られたスピーカーは、ユーザーのカーライフをより豊かにしてくれるでしょう。
アルパイン製のスピーカーは7,000~25,000円程度で買い取られることが多いです。種類や状態などにより査定額は変わります。
カロッツェリアはパイオニアのカーナビ・カーオーディオブランドで、アルパインと並び、カースピーカーのトップメーカーになりました。
アルパインと異なる点は価格がアルパインより安く手を出しやすいため、コストパフォーマンスのいいスピーカーとして人気があります。
カロッツェリアのスピーカーはフラットで全体的にバランスのいい音を出すため、あらゆる音楽にも対応します。一部のジャンルに集中せず、幅広いジャンルの音楽を楽しみたい方向けのメーカーです。
カロッツェリア製のスピーカーは、他のメーカーよりやや買取相場は高めで15,000~30,000円ほどです。買取価格の高さは人気の高さを表しています。
フォーカルはフランスの会社FOCAL-Jmlabが開発・製造を手掛けるオーディオシリーズです。
FOCAL-JmlabはOEM専業メーカーとして創業し、その後少しずつ独自にスピーカー開発を進めた結果、世界的なトップブランドになりました。カーオーディオを初め、家庭用やスタジオ用のスピーカーやヘッドフォンも開発・製造しています。
フォーカルのカースピーカーは強いこだわりがあり、ハイエンドモデルは全てフランス製です。音のクリアさがフォーカルのスピーカーの特徴で、音を調整し、こもらない中高音域が楽しめます。
車・家・ヘッドフォンそれぞれの音の聞こえ方に注目し、環境に適した素材選びが高い音質を実現しています。
ローカルのカースピーカーは7,000~22,000円前後が買取相場です。
ロックフォード(正しくはロックフォード・フォズゲート)はアメリカの定番ブランドの一つで、創業1979年と長い歴史を持ちます。
ロックフォードのスピーカーは、パンチの効いたシャープかつパワフルな音が特徴で、手ごたえのある音を楽しみたい方に人気です。シリーズごとに音のメリハリや高能率をそれぞれ高めており、自分好みの音を楽しみながらドライブできるでしょう。
ロックフォードのカースピーカーの買取相場は、3,000~12,000円前後とやや低めなので、交換せずにそのまま買取り査定に出してもいいかもしれません。
スピーカー以外のカーオーディオも交換する?
カーオーディオは、スピーカーを初めプレイヤー・プリアンプ・パワーアンプで構成されています。購入時のカーオーディオが純正で後から交換して社外品になっている場合、純正に戻したほうが買取り査定額は高くなるでしょう。
しかし、純正に戻した際の査定額と別で社外品のカーオーディオを売った時の買取額が工賃よりも上回れば交換する価値はあります。
手間をかけたものの「ほんの少ししかプラスにならない」または「マイナスになる」場合はスピーカー以外のカーオーディオも交換せずにそのままの状態で買取り査定に出すことをおすすめします。
音質をあげるデッドニングは外したほうがいい?
音にこだわる方はスピーカーを交換するだけでなく、他のカーオーディオも替えてデッドニングを施すことがあります。
ここからは、そのデッドニングの効果と車を売る時に外すべきかを説明します。
車のデッドニングは、車体の鉄板部分やプラスチックパーツに制振材・吸音材をつける作業のことです。制振材をつけると鉄板部分が補強でき、走行時の振動によるノイズを抑える働きをしてくれます。
走行時は道路とタイヤの摩擦でどうしても車体の鉄板部分の振動が共振し、ドライバーと同乗者に不快感を与えます。しかし、デッドニングを施すと極限まで振動を抑えることが可能です。
吸音材を貼ると車外の騒音と車内で起きる音の反射を抑えられ、車内環境の快適さが高まるとされています。
ドアにもデッドニングを行うと、同時にサウンドシステムが向上し、低温が聞こえやすくなって音の広がりを感じられます。特にベースやドラムの音までしっかり楽しみたい方は、スピーカーとあわせてデッドニングを施すのがおすすめです。
デッドニングを施した車体は、ドアなどの内側に施工するため、純正の状態とは異なります。新車の状態に近いほど買取り査定額は高くなりやすいので、デッドニングの箇所が多いとマイナス査定の可能性があります。
中でも見える部分にあたるエンジンルーム・トランクルーム・スペアタイヤスペースなどのデッドニングは、マイナス査定になりやすいです。
ドアの内側につけたデッドニングは見えにくいため黙っていれば分からないと思うかもしれません。しかし、後からトラブルになるため、査定の時にはデッドニングをしたことを伝えましょう。
自分で無理にデッドニングを剥がすと、車体が傷つき査定額に響く可能性があるので、そのまま査定を受けることをおすすめします。
査定が終わったあとにオーディオを外してもいい?
車の買取り査定は車の現状を総合して計算するため、査定額を出した後にオーディオを外すと大幅に減額する可能性があります。そのため、カースピーカーなどのオーディオを外すつもりであれば、査定を受ける前に外しておきましょう。
購入時に車に付属していなかったパーツは付けなくてもマイナス査定にはなりません。綺麗に外して手元に残すか、外せなければそのまま査定に出しましょう。