近年、あおり運転がニュースで取り上げられることが多くなり、ドラレコに対する重要性が高まっています。
車の買取り査定についても、カーナビやETCと同様に付属品としてドラレコが査定される機会も多くなっています。
そこで、この記事ではドラレコを搭載すると車の査定額は高くなるのか、販売店がどのようにドラレコを査定するのかについて詳しく解説していきます。
また、ドラレコのメリットや種類、売却する際の注意点についても紹介していきますので、参考にしてみてください。
ドラレコ搭載の車は高価査定される可能性が高い
車の査定は、JAAI(日本自動車査定協会)が公表している査定基準を基にして行っています。基準は詳細に決められており、対象となる車の状況を判断するのに役立っています。
ドラレコを搭載しているケースでは、昨今の需要増により、基本的に買取業者はプラス評価を行うことが一般的です。特に査定額がアップする可能性が高い2カメラ型は、今後の主流になる傾向があります。
2カメラ型が奨励されている背景としては、近年問題視されているあおり運転が、後方で行ってくるケースが多いことです。前方だけでなく、後方にもカメラがあることによって映像に残すことができ、証拠として提出も可能になります。
そういった需要も高いことから、査定額が引き上がる可能性が高いと言えるでしょう。
また、車両本体価格に付属するので、少しでも買取価格を引き上げたいと考えているなら、そのまま装着した状態で売却するのがおすすめです。業者によって査定額はバラツキがあるため、必ずしもプラス査定になるとは限らない点は注意しておく必要があります。
ドラレコを搭載するメリットとは?
ドラレコを搭載する方が増加傾向にあることは知られていますが、実際どのようなメリットがあるのでしょう?
現在、問題視されている「あおり運転」の証拠としてだけではなく、それ以外にもメリットがあります。
以下では、そのメリットを4つ紹介していきます。
メリットの1つ目は、事故の証拠として提出できるということです。
例えば、交通事故を起こしてしまった際に当事者同士で話すと食い違う点も出てきます。近くに目撃者がいれば第三者の意見となるため客観的な証言として聞き入れることも可能ですが、目撃者がいない状況だと事故の全容が曖昧になってしまうことも考えられます。そこで、ドラレコが搭載されていれば、事故の様子を見ることが可能です。
例えば、自転車などと接触事故を起こした場合、一般的にほぼ100%車を運転していた側の責任になってしまいます。しかし、自転車を運転していた側が急な飛び出しや危険運転などを行っていた映像があれば、自分の過失を引き下げられる可能性があります。
このように証拠として提出することができるため、トラブルが起こるリスクが少なくなるでしょう。
メリットの2つ目は、当て逃げや車上荒らしに遭った時の映像が保存できることです。
相手の車が自分の車にぶつかってきて逃げられてしまえば、車の修理費も加害者に請求することは難しくなります。そこで、ドラレコを搭載しておけば加害者のナンバープレートが映像として残せるため、特定することも可能になります。
また、車上荒らしの場合は、駐車場などに駐車している状態ですので、加害者を特定しにくいです。しかし、駐車場の監視機能が搭載されているドラレコであれば、車上荒らしや駐車している車のいたずらなども抑止する効果が働き、万一の際も録画できるメリットがあります。
近年のドラレコには、常時録画できる機能を持った種類もありますので、自分が乗車していない時でも犯人を特定できる可能性が高まります。
特に高級車を所持している方や繁華街など人の行き来が多い所に停車する頻度が高い方は、こういったドラレコを使用することでトラブルを少なくすることが可能です。
警察でもドライブレコーダーの映像は、証拠として利用されています。
メリットの3つ目は、旅行中の思い出として記録することが可能なことです。
ドラレコといえば、トラブル防止を目的に使用するイメージがあるでしょう。しかし、車外の映像以外にも車内の会話も録音することが可能です。
実際に後日確認すれば、ドライブに行った旅の思い出としても活用できます。友人や家族で観光地まで運転していった時、楽しんでいる会話や風景が改めて見ることができます。
このように、トラブル防止だけではない活用方法がある点を知っておくと、ドラレコの需要もさらに高まっていくかもしれません。
メリットの4つ目は、自分の運転状況を客観視できることです。
自分の運転のクセは、意外と分からないものです。同乗者に言われて気づくことが多いかもしれません。そこで、ドラレコを搭載しておくと後日自分の運転状況を確認することが可能です。
近年、高齢者のドライバーが事故を起こすケースがあります。高齢者のドライバーの場合、どのような点で判断がなされているか、ドラレコの映像を見てチェックすることもできます。
また、自動車の安全性能が飛躍的に向上しているため、ブレーキアシストや追突防止のシステムを搭載していても、最終的な判断はドライバーにあります。ヒヤリとした時に映像を振り返ってみて確認するだけでも、事故の再発防止に繋がるでしょう。
例えば、通常よく使う道路で気をつけるポイントを知っておけば、事前準備した状態で走行することが可能になります。ドラレコの映像を客観的に見ておくと、自分の日々の運転に役立つでしょう。
ドラレコを搭載している車を売る際の注意点
ドラレコ搭載車は売却価格にもプラスになる可能性が高いことは、先程お伝えした通りです。
しかし、そのまま搭載して売却するか個々で売却するかは、ドラレコの性能や仕様によって異なってきます。売却するなら、できるだけ高く買い取ってもらいたいものです。
ドラレコを搭載したまま車を売却する場合、どのような点に気をつけたら良いのでしょう。次からは、ドラレコ搭載車を売る際の注意点を3つ解説していきます。
1つ目はドラレコに入っているデータの削除を行うことです。
映像を保存するということは、個人情報が多数収められているのと同じです。
特にドラレコは運転しているルートなどを特定されてしまうため、第三者に渡ると最悪の場合、悪用される可能性もあります。そのため、住所などの個人情報の漏洩は避けなければなりません。
売却する前に、必ずドラレコに残っているデータの削除をしておきましょう。
2つ目は、売却する車にドラレコが搭載されていることを担当者にしっかり伝えることです。
車買取業者は実際に搭載しているかどうか、すぐに確認するでしょう。それなら言わなくても良いのではと考えがちですが、考慮に入れずに査定を算出する可能性も否定できません。そのため、買取業者の担当者にはしっかり伝えておくことが大切です。
伝えておくことで、売却価格の上乗せを考慮することにも繋がります。これはドラレコに限らず、オプション品で従来と異なる装備をつけているのであれば伝えておくことをおすすめします。その際、どのくらいプラス査定になるか、買取業者に聞いてみるのも良いでしょう。
3つ目は、買取業者の査定金額によっては、取り外しも検討しなければならないということです。
年式も新しく高性能なドラレコであれば、高価買取を期待できます。中古の市場価格よりも大幅に安いのであれば、取り外して単体で売るほうがお得です。
しかし、ドラレコを外すのは取り付け状況によって難易度が異なります。そのため、専門業者に依頼すると手数料がかかります。費用分を踏まえても高価買取が期待できるのであれば、取り外しを検討すると良いでしょう。
また、新しく乗り換える車でドラレコを使用したい場合には、売却前に取り外しておいてください。多機能で年式も新しいドラレコは、再度購入するとしても、まとまった金額がかかってしまいます。
再度使用するのであれば、業者に依頼して取り外してもらうことをおすすめします。そのほうが売却する車にキズなどをつけるリスクも少なくなるので安心です。
ドラレコの買取査定額は、付属品があるかどうかでも異なってきます。
例えば、ドラレコを単体で売却する時には取扱説明書や箱などが残っていると、買取額が高くなる傾向があります。そのため、搭載する際には付属品をきちんと保管しておきましょう。
また、ドラレコを単体で売却する際には、3つの方法があります。
- 買取業者
- フリマアプリ
- インターネットオークション
買取業者に依頼すれば、店頭に持参するケースや出張対応する業者もあり、その場で現金化できることがメリットです。
フリマアプリでは、ドラレコの出品数も多いので、需要が高い商品であると言えます。これはインターネットオークションも同様ですが、購入したい方が気軽に参加しやすいので、人気モデルだと価格が引き上がる可能性も高いでしょう。
ただし、フリマアプリやインターネットオークションの売却は、付属品の有無や商品説明の方法、出品価格の設定についてコツもあるので、事前準備をしっかり行っておくことが大切です。
また、購入者に送るための送料もかかりますので、その分もきちんと計算した上でお得かどうか判断しましょう。
ドラレコ主要5種類を紹介!
ドラレコは、役割や性能面も年々変化を遂げています。車の前方の映像を撮るタイプだけではなく、前後の撮影や360度カメラを搭載したものまで、ニーズに応じたタイプが販売されるようになりました。
あまり詳しくない方だと、どれを選べば良いのか迷うかもしれません。そこで、ここからはドラレコの主要5種類について、その特徴を詳しく解説していきます。
以前は主流とされていたフロント側にのみカメラを搭載されたタイプは、大きく分けて種類が2つあります。それは、「カメラと本体が一緒になったもの」と「カメラと本体が別々に存在するタイプのもの」です。
一体化したものは、電源をシガーソケットから得ることが可能です。本体をフロントガラスに貼り付けるタイプであれば、取り付けも簡単で、自分でも簡単に行うことができます。価格もリーズナブルなケースが多いため、価格を抑えて搭載したい場合には魅力的です。
まず前方の状況だけでも映像に残したいと考えているのであれば、フロント1カメラでも良いでしょう。
前後2カメラはフロント部分だけではなく、リアにもカメラを搭載したタイプです。フロント撮影するカメラに、リアカメラを追加した状態になっています。
近年社会問題になっているあおり運転についても、後方の状態も映像に残すことが可能なため、フロント1カメラより主流になりつつあります。
さらに解像度を高めたモデルも販売されているので、その時の状況をより鮮明に残すことも可能です。
リアカメラは基本的に車内のリアガラス部分に取り付ける必要があるため、フロントカメラがある車両前部から車両後部に配線を通す必要があります。取り付けが複雑になる傾向がありますので、専門業者にお願いしたほうが安心です。
360度カメラは、車の前後だけではなく、車内や左右も撮影できる点がメリットです。特に横からの衝突や幅寄せ、駐車中の車上荒らしも撮影できるので、事故や犯罪に対応しやすいと言えます。
このタイプは半天球の超広角レンズのカメラや、前方・車内・後方の3つのカメラで対応しているものがあります。
限りなく視覚を減らし撮影できる点は良いですが、撮影範囲が広いため、画質が荒くなりやすいところは注意が必要です。しかし、各メーカーも解像度を改善してさらに精度を高めたモデルも販売されています。
購入の際には、特に映像の状況を確認した上で選ぶと良いでしょう。
デジタル式のバックミラーが装着されている車が多くなっていますが、それにドラレコ機能を搭載したタイプもあります。
車のリア部分に設置しているカメラ映像を、バックミラーで表示できます。後部座席に座っていたり荷物を置いていたりしても遮られることもなく確認することが可能な点はメリットです。
ただし、フロントカメラがミラー本体に内蔵されるタイプだと、ミラー角度を変更するとフロントカメラの位置も変わるので注意が必要です。
ミラーに搭載されていることで、フロント部分の視界を狭めることなく録画できるため、安全に走行することができます。前方の視界を確保したいと考えている方は、このタイプが使いやすいでしょう。
360度+リアカメラタイプは、360度カメラで補うことが難しい車両後方の撮影に関して別カメラを追加することで、さらに死角を減らすことが可能になったモデルです。これによって、車の周囲の記録をより強化することができるようになりました。
前後カメラでは撮影が困難だった、通行車の急な幅寄せや割り込みにも対処できます。
現在のモデルではカメラ設置部分よりも上方の撮影が可能になっているドラレコもあり、信号機や看板まで映像として残せるのはメリットです。
このタイプは高性能になるので、価格についてはフロント1カメラと比べて高価になりやすい傾向があります。そのため、自分のニーズに合わせたタイプを選ぶと良いでしょう。
ドラレコは予算や使用状況に応じて種類を選ぼう
ドラレコの種類について解説しましたが、自分の目的に応じた種類を選ぶことが大切です。
前方のみのドラレコであれば視野角が広いモデルがおすすめですし、前後2カメラを搭載していれば画素数や画像補正が可能であるものが有効であると言えます。
性能が良くなるほどドラレコの値段も高くなりますので、自分の欲しい機能を明確にしてから購入するとお得な買い物になるでしょう。
また、新しいドラレコは性能がますます向上しています。値段は高くなる傾向にありますが、安全に走行するためには金額が高いドラレコも選択肢に入れ、検討することが必要かもしれません。