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車を売るからには、できるだけ高く買い取ってもらいたいと思う方が多いでしょう。そのためには、中古車市場から見た買取り査定に適した時期と、車の状態から見た買取り査定を考えるべきタイミングがあります。
この記事では、買取り査定を依頼するのに向いている時期、向いていない時期を説明していきます。
買取り査定から契約までの手順とかかる日数とは?
車を買い取ってもらう場合、それなりに手間がかかります。できるだけ高い買取り査定金額をつけてもらって契約するためには、タイミングを逃さないことも重要です。
買取り査定に向いている時期を考える前に、まず車を買い取ってもらうまでにどのような手順があり、どれくらい時間がかかるものかを見ていきましょう。
まず、車を買い取ってもらうためにしなければならないのは、どの中古車買取業者にするか選ぶことです。
業者によって力を入れている部分は異なり、買取金額が変わってくるため、よく検討することが大切です。
ネットでは個人情報を入力することなく、自分の車種がどれくらいで売れるのか確認することもできます。それを活用したり、業者の口コミも参考にしたりするといいでしょう。
なお、できるだけ高く買い取ってもらいたい場合、複数の業者に査定してもらうのがおすすめです。あまりにたくさんの業者に依頼すると応対が大変になるので、2~3社に絞りましょう。
業者を選ぶには早ければ1日程度、時間をかけると3日程度はかかることが多いです。
中古車買取業者を選んだら、次は買取り査定です。
査定の方法は、直接お店に車を持って行って見てもらうか、自分の指定した場所へ査定士に来てもらう出張査定があります。
また、査定を受けるときは自動車検査証(車検証)が必要なので準備しておきましょう。
査定をする前に口頭で確認されることがあります。それは以下の内容です。
車種・走行距離
修理歴、修復歴の有無
オプションの有無
希望売却時期や理由 など
その後、査定士が車をチェックしますが、査定そのものの時間は30分~1時間程度です。チェックする大まかな確認項目は以下になります。
- 外装・内装:30分前後
- エンジンルーム:10分前後
- フレーム(骨格部分):15分前後
査定が終わった後、価格の提示がされます。納得のいく金額であればすぐに契約に進めますが、金額に満足できない場合は交渉をしてみましょう。
買取り査定の金額に合意したら、次は契約に進むことになります。
下記の必要書類を準備しておくと、大体30分程度で契約は完了するでしょう。
自動車検査証(車検証)
自賠責保険説明書
リサイクル券
振込口座情報
メンテナンスノート(メーカー保証書+定期点検整備記録簿)
戸籍謄本:姓の変更
住民票:印鑑登録証明書と他の書類の住所が異なる場合
戸籍の附票または住民票の除票:2回以上の引っ越しがあった場合
必要書類を取り寄せる場合は、査定から契約締結まで時間がかかることになります。スムーズに手続きを進めるためには、早めに必要書類の準備を始めることが大切です。
契約が終わると、合意した日に車を引き渡すことになります。そして、その数日後に買取代金が入金されます。
買取り査定のベストな時期とは?
車の需要が高い時期であれば、買取査定額も高くなる可能性があります。
では、買取査定を依頼するベストな時期はいつなのでしょうか?
大まかに年2回あるので、以下で説明します。
車の買取り査定をする時期としておすすめなのは、1月~3月上旬です。この時期は、1年の中で一番高値がつくとされています。
その理由は、4月は進学や就職、転職のために多くの人々の生活環境が変わり、新しい生活が始まります。就職や進学のお祝いとして車を買う方もいれば、通勤のために車が必要になる方もいるでしょう。
その結果、車の需要が増え、中古車買取業者としても在庫を揃える必要があるため、査定額を高めにつけてくれることにつながります。
さらに、中古車買取業者にとって3月は決算月です。決算前に多くの車を売るためには在庫がなければなりません。これらの理由から、他の時期よりも査定額がアップする傾向があります。
なお、おすすめの時期を具体的に3月上旬までとしたのは、自動車税を考慮しているためです。
3月中旬以降に買取り査定を行ったとしても、契約ならびに車の名義変更が4月になってしまう可能性があります。自動車税は4月1日時点での車の所有者に課税されますので、車を売ったにも関わらず、自動車税の納付書が自宅に届いてしまうことになります。
そういったことを防ぐためにも、買取り査定は手続きにかかる時間の余裕を考え、3月上旬までに終わらせるのが良いでしょう。
1月~3月上旬以外にも、買取り査定に向いている時期はあります。それは7月~9月です。
6月や7月に支給されるボーナスを車の購入費用に充てる方もいるでしょう。そのため、ボーナスが出た後に需要が増えることが考えられます。
また、9月も転勤や転職により生活が変わる方が多いことから、車の需要も高まります。転勤だと何年か後には元の勤務地に戻ったり、また別の場所に転勤になったりする可能性もあるため、新車というよりは中古車を検討する方が多いです。
その他にも、多くの中古車買取業者にとって9月は半期の決算月となります。できるだけ9月末までに多くの中古車を売ろうとして在庫を確保するため、買取り査定額も高めに提示してくれる可能性があります。
車の状態から見た買取り査定を考えるべきタイミングとは?
中古車市場の需要だけでなく、自分の車の状況からも買取り査定を依頼するタイミングを計ることができます。
そのタイミングはいくつかありますので、一つずつ見ていきましょう。
車の状況から見た買取り査定のタイミングとしてまず挙げられるのは、初めての車検の前です。
乗用車の場合、新車を購入してから3年目に初めての車検が行われます。
まだ新しい車とも言えるような時期ですが、買取り査定では新車登録してからの年数が浅く、状態の良い車ほど高額で買い取ってもらえます。
次に乗り換える車によっては、今の車を売ったお金で次の車を購入できるかもしれません。
買取り査定のタイミングとして次に挙げられるのは、2年ごとの車検の前です。
初めての車検は新車登録後3年経ってからですが、それ以降は2年ごとになります。
車検費用はおおよそ10万円程かかるため、車検の前に車を売るのが費用負担もなくおすすめです。その際、できれば車検が切れてしまう前に買取り査定から車の引き渡しまで行いましょう。
車検が切れている車は公道を走ることが禁じられているため、車検が切れてしまうと直接お店に持って行くことは不可能であり、出張査定を頼むしかありません。または、仮ナンバーを申請することになるでしょう。
なお、車検を受けているのといないのとでは、買取り査定額には大きな影響はありません。そのため、売却額で車検費用の元を取ることは難しいと言えます。
一般的に、中古車市場では走行距離が少ないほうが故障のリスクも低いので好まれます。そのため、買取り査定額も走行距離によって変動します。
車の走行距離の目安は1年で1万kmです。
節目としては3万km、5万km、8万kmがあり、これを超えてくると査定額が下がっていきます。
ただし、車の年式が古くても新しくても、走行距離が極端に少ない場合は買取り査定額が下がってしまいます。あまりにも車を動かしていないと、動作不良が起きるリスクが高まるからです。
なお、車の寿命は10万kmとも言われており、この大きな節目を超えた場合の買取り査定額は、これまでより大幅に下がることになるでしょう。
10万kmが交換のタイミングとなっている部品も多く、古くなってきたことから故障の可能性も高くなります。
車を売ることを考えるのであれば、走行距離も時折チェックし、節目を超える前に査定に出すことをおすすめします。
新車登録してから年数が経過すればするほど買取り査定額も下がっていきます。節目としては新車から5年または10年とされています。
年式は毎年1月1日で更新されます。新車登録したのが5月であれ10月であれ、新しい年になると1年年式が古くなるので注意しましょう。
車のモデルチェンジの前も、買取り査定を依頼するといいタイミングです。
モデルチェンジした車は人気が高まりますが、それと同時に古いモデルの人気はなくなるため、買取り査定額が大きく変わってきます。
モデルチェンジには、マイナーチェンジとフルモデルチェンジの2つがあります。
マイナーチェンジは、2年~4年くらいの間隔で行われます。内装や外装の変更、技術的なアップデートが行われ、エンジンなどはそのままということが多いです。そのため、買取査定額への影響はそれほど大きくないとされています。
一方、フルモデルチェンジは、4年~6年程の間隔で行われ、内装や外装だけでなくエンジンなど根幹部分にも手を入れる大幅な変更です。そのため、車種名は同じでも別の車のようなものであり、買取り査定額への影響も大きくなります。その上、フルモデルチェンジすると噂が出た時点で買取り査定額は下がり始めます。
車を趣味としていない限り、なかなかモデルチェンジを気にすることは少ないかもしれませんが、車の売却を検討し始めた時にはこの点も考慮に入れるようにしましょう。
買取り査定に不向きの時期とは?
買取り査定に向いている時期がある一方で、向いていない時期も当然あります。その時期と理由について見ていきましょう。
買取り査定に不向きと真っ先に言えるのは、査定のベストシーズン後の4月です。
4月から新生活を始める方は、ほとんど3月中に準備を終えています。生活の足となる車は特にそうでしょう。
4月は何かを購入するというよりは節約ぎみになり、中古車の需要が下がります。需要が下がれば在庫は余りますので、買取り査定では1月~3月ほどの高値は期待できません。
その他の理由としては、毎年4月1日時点での車の所有者に、自動車税が課せられます。4月に買取り査定から契約、車の引き渡しまで行ったとしても、自動車税を支払わなければいけないことに変わりはありません。
普通自動車であれば、車を手放してからの期間分の自動車税を買取り査定で上乗せしてくれる可能性があります。これは、普通自動車を廃車にする場合に自動車税の還付制度があるためです。
しかし、軽自動車については還付制度がなく、普通自動車ほど税金も高くないことから、買取り査定での上乗せは期待できません。4月から手続きを始めると、1年間分の自動車税を損してしまうため注意が必要です。
年末も買取り査定には不向きの時期だとされています。
クリスマス、年末年始の帰省や長期旅行など、ただでさえいつもよりイベントに伴う出費が多く忙しい時期です。
車のような大きな買い物をしようと考える人が減ることから、車の需要も下がり、その結果買取り査定額も下がってしまいます。
少しでも高く車を売りたいなら、年末に中古車買取業者をじっくり選んでおき、年が明けて買取り査定に向いた時期になってから依頼するといいでしょう。
車の売り時を逃さないためにできることとは?
車を査定してもらったとしても、契約締結まではその金額が確定したわけではありません。査定を依頼したタイミングは良くても、その後の契約に時間がかかってしまっては損をする可能性があります。
車の売り時を逃すことなく、スムーズに手続きを行うために何ができるでしょう?その方法を以下で解説します。
買取り査定や契約時に必要な書類はあらかじめ確認しておき、再発行が必要なものは早めに手続きを行いましょう。
買取り査定時に提示された価格は、あくまでもその時点での金額です。書類が揃わず、契約まで時間がかかった場合、買取り査定額が変わってしまう可能性もあります。
査定額の有効期間は早いと当日、一般的なのは1週間前後、長いと2週間から1ヶ月程度となります。そのため、自分の依頼する中古車買取業者の有効期間を確認することが大切です。
買取り査定や契約時に必要な書類を紛失していた場合は、再発行を依頼する必要があります。その際、入手にかかる大まかな期間を説明します。
運輸支局で手続きを行います。受付は平日のみの対応となるので注意しましょう。手続き自体は30分ほどで終わることが多いですが、混んでいると半日かかる可能性もあります。ディーラーを通した場合は1週間程度です。
加入している自賠責保険の会社に依頼します。再発行までは1~2週間程度かかります。
普通自動車の場合は、運輸支局場内の自動車税事務所または各都道府県の自動車税事務所で手続きをします。軽自動車の場合は、市区町村の役所になります。
直接窓口で申請をすると基本的に即日発行してもらえます。もし郵送での手続きを希望する場合は、手元に届くまで5日程かかります。
役所で申請すれば、発行することが可能です。印鑑登録が完了している場合は、申請後5分ほどで入手できるでしょう。もし印鑑登録をしていない場合は、この手続きも必要になります。
ただし、印鑑登録証明書は有効期間が決まっていて、発行日から3ヶ月以内となっています。あまりに早く取ってしまうと期間を過ぎてしまうため注意が必要です。
再発行はできないため、代わりに「自動車リサイクル券の預託証明書」を準備します。
車検証を準備の上、自動車リサイクルシステムのサイトへアクセスしてください。そして「自動車ユーザー向け」の「リサイクル料金検索」からダウンロードすることができます。
買取り査定後、いざ価格提示となった時のために、大体の希望金額を決めておきましょう。
希望価格を基準にして、思ったより高ければすぐに契約に進めますし、低かった場合には妥協範囲内なのかも考えやすくなります。
ただし、中古車買取業者には希望金額を伝えないほうが良いでしょう。本当はもう少し高くすることが可能であっても、希望金額にとどめられてしまう可能性があります。
契約後に注意すること
買取り査定を終えて契約まで完了した後は、通常1週間前後で車を引渡します。
ここからは、車を引き渡すまでに注意すべきポイントについて簡単に説明していきます。
契約した後は、できる限り車に乗るのを控えましょう。
キズをつけたり事故を起こしたりすると車の状態が変わってしまうため、もう一度査定からやり直すことがあります。
最悪、契約キャンセルになってしまう上に違約金が請求されるかもしれません。
車の引き渡し日はなるべく変更しないようにしましょう。
時期やどれくらい引き延ばすかによっては、相場の変動もあるため再度査定をすることになってしまう可能性もあります。
また、中古車買取業者によってはキャンセル料やレッカー車の手配日が変更になるなどの理由で違約金を請求されることも考えられます。
よほどの事情がない限り、引き渡し日を変えないほうがいいです。
車の引き渡し日が近づいたら、車の中に私物が残っていないか再度チェックしておきましょう。
特にCDやDVDは抜き忘れやすいため注意が必要です。また、カーナビに住所や電話番号を登録しているなら、情報を消しておくようにしてください。
なお、車を引き渡した後に忘れものに気付いたら、業者で保管してくれている可能性もあるので、すぐに確認することをおすすめします。