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車を買取り査定してもらう前に洗車して綺麗にしておくことは、どのような影響があるか知っていますか?
この記事では、買取り査定の前に洗車をすると良い理由や、どのようなことに気をつけて洗車すればいいのか詳しく解説していきます。
車の買取り査定前に洗車をしておくといい理由
車の査定方法は、一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)が設定している標準状態をもとに加点減点方式で評価して行います。
この評価項目の中に、洗車の有無については述べられていません。そのため、「洗車は買取り査定の価格アップに直接影響することはない」というのが答えです。
しかし、直接影響がなくても洗車しておくべき理由があります。
洗車しておくといい理由①査定士の心証がアップする
洗車をしておくと使用感があったとしても、きちんと車の外も中も綺麗になっていれば、査定士から「丁寧に扱われてきた車だ」と思われて、良い印象を与えることができます。
逆に泥や埃まみれで、車の中もごみが落ちているような状態なら、査定士としては粗雑に扱われている車と判断するでしょう。問題のある可能性を考えて隅々まで確認し、細かいマイナスポイントもしっかりチェックされてしまうかもしれません。
査定士の心証を悪くしないためにも、洗車しておくのが無難であると言えます。
洗車しておくといい理由②より正確な査定をしてもらえる
買取り査定前に洗車しておくことは、正確な査定を出してもらうためにも必要です。
洗車しておくと、車の外装のキズやへこみを査定士が確認しやすくなります。キズやへこみはマイナス評価になるとはいえ、きちんと査定されれば後になってトラブルが発生することを防ぐことができます。
車が汚れている場合、査定士は確認が難しくなるため、もしかするとキズやへこみが汚れで見えないだけかもしれないと判断しマイナスの評価をつけてしまうかもしれません。
このような誤った評価を避け、自分と査定士双方が納得のいく査定をするためにも、洗車しておくことは大切です。
洗車方法について
いざ買取り査定の前に洗車をするにしても、どのように洗車をすればいいのでしょう?
外装と内装、それぞれポイントがありますので、詳しく見ていきましょう。
普段から時々車を掃除している方でも、ボンネットの内側までは綺麗にしていないかもしれません。買取り査定時にはボンネットを開けるので、綺麗にしておけば査定士に良い印象を与えられます。
大きなごみを手で取り除き、細かいごみは歯ブラシなどでかき出してください。その後、電装系のパーツが故障しないように、弱い水流のシャワーで洗い流しましょう。
下回りも、あまり気をつけて掃除をしない部分の一つでしょう。買取り査定ではチェックされますので、可能な範囲で綺麗にしておくことをおすすめします。
まずは、タイヤやタイヤハウス(車体とタイヤの間にあるスペース)についている泥などの汚れを水で洗い流します。その際、ブレーキ類に水がかからないよう、弱めの水流で行うことが大切です。
その後、タイヤやホイール、タイヤハウスをブラシなどで清掃します。頑固な汚れにはタイヤクリーナーを使用し、清掃後は再び水で洗い流しましょう。
普段車を使っていると、当然のことながら汚れがつくものです。駐車場が外にある場合は雨風にさらされるため、特に汚れがつきやすいです。
まずは、外側の窓を含む外装の汚れを水で洗い流しましょう。洗車機、手洗いどちらでも問題ありませんが、水をかける時は必ず上からかけることが大切です。
水である程度の埃や汚れは落ちますが、こびりついた汚れは洗剤とスポンジを使って落とします。
注意したいのは、強くこすりすぎて車体にキズをつけてしまうことです。キズが増えれば増えるほど、査定ではマイナス評価となり価格も下がってしまいます。
しっかりと洗剤を泡立てた上で、ゴシゴシとこすらないように優しく洗いましょう。
汚れが落ちたら水で洗い流し、水滴が残らないように窓も含めてボディを拭いて完了です。
内装の掃除は、まず私物を取り出すところから始めましょう。物が置いてあると査定の妨げとなり、場合によってはその下に汚れがあるかもしれないと判断される可能性があります。
トランクやダッシュボードに入れっぱなしになっている物、芳香剤や消臭剤、ぬいぐるみなどの飾り、ドリンクホルダーなどは取り出しておき、本当に必要なものだけを車内に残すようにしましょう。その際、ごみも取り除いておいてください。
私物を取り出したら、掃除機で細かなごみやほこりを吸い取りましょう。
足元のフロアマットには靴によって運ばれた泥や砂、埃などがついており、場合によってはマットの色がところどころ砂っぽい色になっているかもしれません。
マットの表、裏、またマットを外した後の床にも掃除機をかけるのがおすすめです。
マットの汚れがひどかったりべたつきがあったりした場合には中性洗剤で洗い、しっかり乾燥させましょう。
その後、シートにも掃除機をかけますが、ほこりのたまりやすい背もたれとシートのすき間も見逃さないようにしてください。
ペットを乗せている場合には、ペットの毛も取り除いておくことが大切です。毛を取り除く際は、100円ショップなどで売っている粘着クリーナーが便利です。
次は拭き掃除です。ハンドルやダッシュボードなどのプラスチック部分を水で濡らしたタオルで拭き、その後に乾拭きをしましょう。
手が触れる部分は指紋や手垢などもついていますので、特にしっかりと行うことが大切です。
べたつきなどがある場合には、タオルに中性洗剤をしみこませて拭きましょう。洗剤を水拭きで取り除き、乾いたタオルで仕上げます。
ヤニ汚れを取りたい場合には、重曹を水で薄めたものをスプレーし、水拭きすることで汚れを落とせます。しかし、革製品には使用不可のため注意が必要です。
内側の窓も忘れずに綺麗にしましょう。内窓は手の脂などで汚れているものです。
清掃する際は、水拭きと乾拭きのタオルを2枚準備して、一箇所づつ水拭きの後に乾拭きをしていきましょう。一気にすべての窓を水拭きしてしまうと、乾拭きしている間に乾いてしまい、水拭きの跡が残るため注意しましょう。
車内の清掃で忘れてはいけないのは「消臭」です。特にたばこを車内で吸っていたり、ペットを乗せていたりする場合には注意しましょう。
たばこを吸わない人やペットを飼っていない人には、そのにおいがとても気になるものです。
また、においの残っている車は買取り査定の際に減額となってしまいます。
消臭方法は主に3つあります。
①天日干し+換気
晴天の日に全ての窓を開けて日光にあて、換気することでにおいが軽減します。
②消臭スプレー
車用の消臭スプレーを選びましょう。シートの素材によってはスプレーで痛んでしまうこともあるため、注意が必要です。
③重曹
重曹大さじ1~2杯を溶かしたバケツ1杯の水を準備するか、市販の重曹水を用意します。重曹も重曹水も、100円ショップなどで手に入ります。そして、重曹水で濡らした雑巾で車内を拭くか、スプレーボトルに入れた重曹水を吹きつけてから拭いてください。
車内のシートに革が使われている場合は、重曹により色が変わってしまうため使用を避けましょう。
なお、たばこやペットのにおいは強いため、一度の消臭でにおいが消えない可能性もあり、数回行う必要があるかもしれません。
においが消えたか自分では分からない場合には、普段その車に乗らない人に確かめてもらってください。
チャイルドシートは買取り査定の数週間前に取り外し、跡を消しておくことをおすすめします。
チャイルドシートがいくら高級でも、査定の際にプラスの評価になるどころか、取り外しを要求された上に跡がついていることでマイナスの評価になってしまう可能性があります。
必要な洗車道具について
ここまでで、洗車の方法について見ていきましたが、どのような洗車道具が必要なのでしょう?
道具は様々ありますが、最低限あると良いものを紹介していきます。
近くに蛇口のあるところで洗車ができる場合には、ホースを用意しておくと車体に水をかける際に便利です。
長さが足りないと車の隅々に水を十分にかけることができませんが、長すぎても水に勢いがつかないため、普通自動車であれば15mほどのホースを選ぶと良いでしょう。
もし蛇口が近くにない場合には、ペットボトルに入れた水でも洗車可能です。水に勢いをつけたいなら、ペットボトル用の加圧式スプレーを使えば勢いが増します。
車の汚れを落とすための洗剤は、ワックス成分や研磨剤の入っていない、車用の優しいシャンプーを用意しましょう。
また、泡立ちの良さも大切です。洗剤の泡は車体の汚れを絡めとります。そして、泡がスポンジとの間のクッションとなり、スポンジの摩擦で細かいキズがつくことを防いでくれます。
スポンジ選びも大事なポイントです。
スポンジは洗剤と水を含むことにより、車体の汚れを絡めとることができます。その際に車体にキズをつけることのないよう、車用の柔らかい素材を選ぶことが大切です。
また、持ちやすいこともポイントの一つと言えます。グローブ型もありますし、柄付きだと天井を綺麗にする際に便利です。
また、車体用とタイヤ用のスポンジは別にしましょう。タイヤホイールで使用したスポンジには、タイヤホイールについていた泥や鉄粉が残っています。そのスポンジで車体をこするとキズがついてしまう可能性があるため、別にするのが好ましいです。
車用の洗剤の多くは水で希釈するタイプなので、バケツも準備しておくと良いでしょう。目安として10リットル以上のサイズがあれば十分な泡を作ることができます。
泡を作るだけでなく、車体を拭き上げる際のタオルを水洗いするためにも使用できます。車体を拭く時にはこまめにタオルを水洗いするのがおすすめです。そうすることで、拭いている際にタオルについた汚れが車体を傷つけてしまう可能性を避けることができます。
タオルは濡れた車体を拭く際に必要です。濡れたままだと水滴の跡が残ってしまうことがあります。
車体に直接触れるものであるため、柔らかく吸水性の高い、車専用のタオルを選びましょう。吸水性が高いタオルなら、拭く回数を少なくすることができます。
また、スポンジの時と同様の理由で、タイヤホイールを拭く際には車体を拭くタオルとは別にすることが大切です。これ以外に車内の水拭き用、乾拭き用タオルも必要ですが、車用ウェットシートで代用する方法もあります。
洗車する時にしなくてもよいこと
業者に高いお金を払って清掃してもらったり、ワックスがけなどで表面をピカピカにしたりする必要はありません。
正確な査定をしてもらうことが目的であるため、自分にできる範囲での清掃で問題ないでしょう。
買取り査定前に対応しておくといいこと
洗車以外にも買取り査定前にできることはあります。
ここからは、スムーズな手続きを行うために必要書類についてや買取り査定のプラス評価のためにできることを説明します。
買取り査定を受ける時は、車検証(自動車検査証)が必要です。
希望の査定価格がすぐに提示される場合も考え、契約の際に必要な書類も準備しておくと良いでしょう。
普通自動車、軽自動車で必要な書類は少し異なります。
・自動車検査証(車検証)
・自動車リサイクル券
・自賠責保険説明書
・自動車税納税証明書
・譲渡証明書
・委任状
・実印
・印鑑登録証明書2通
・自動車検査証(車検証)
・自動車リサイクル券
・自賠責保険説明書
・軽自動車税納税証明書
・認印
・メンテナンスノート
・住民票
・戸籍謄本
・戸籍の附票または住民票の除票
車が趣味の方だと、色々と自分好みにカスタマイズし、社外パーツを取り付けていることがあるかもしれません。
中古車市場では、社外パーツがついている車よりも純正パーツがついている車のほうが選ばれやすいとされています。そのため、買取り査定の価格も純正パーツが揃っている車のほうが高額になります。
もし車を破損することなく純正パーツに交換できるなら、査定の前に交換しておくと良いでしょう。
社外パーツと純正パーツでの査定価格の差を知りたい場合には、社外パーツで査定を受けてみた上で純正パーツに変更した時の価格を確認してみるという方法もあります。
車のマスターキーはもちろんのこと、スペアキーもあるかどうか買取り査定の前に確かめておきましょう。
スペアキーを紛失していた場合、買取り査定では減額となってしまいます。ただし、紛失していたからといってスペアキーを作る必要はありません。マイナスになる金額よりも、スペアキーを作るほうが高額になる場合がほとんどです。
買取り査定前に対応しなくてもいいこと
買取り査定前にできることは色々ありますが、逆にあえてしなくてもいいことがあります。後悔しないためにも頭の片隅に入れておきましょう。
車に目立つキズやへこみがある場合、買取り査定前に修理したほうが高額査定になるのではないかと考えるかもしれません。しかし、修理はしないことをおすすめします。
その理由は、修理費用の元が取れるほど、買取り査定でプラスにはならないからです。
中古車買取業者の多くは、自社で修理工場を持っていたり、提携していたりする修理工場があります。そのため、車を所有している個人が修理を依頼する時よりも格安で修理ができてしまうのです。
また、車を修理している間の時間のロスも避けたいポイントの一つです。車は新しいほど査定価格は高くなります。
車の売却には1年の中で1月~3月、7月~9月あたりが高く買い取られやすい時期とされていますが、場合によっては修理している間にそれを逃してしまう可能性もあります。
車検の期限が近いと、車検を受けてから査定を受けるべきか悩むかもしれませんが、買取り査定前には受けないほうが無難です。
車検を通すと、点検費用・自動車重量税・自賠責保険料といった安くはない費用がかかります。買取り査定の価格で、車検で支払った金額の元が取れるとは考えにくいのです。
ただし、車検が切れた車は公道を走ることが禁じられているため、仮ナンバーでの移動などの費用がかかることは注意しましょう。
タイヤは溝が1.6mm以下でスリップサインが出ていると、買取り査定では減額となります。だからといって、査定だけのためにタイヤを交換することはおすすめできません。
査定での減額は数千円~数万円程度ですが、タイヤ交換のためにはタイヤそのものの費用だけでなく工賃もかかります。減額分より支払う金額のほうが大きくなってしまうことがあるため、わざわざ交換する必要はないでしょう。