車のボディカラーは個々の好みによって選ばれることが多いですが、同じ車種であっても買取時に査定額が変わってくるとされています。
どのように差が生じるのか、高く売れるのはどのボディカラーなのかを知っておくと査定時に役立つでしょう。査定額が下がりやすい不人気色についても言及していきます。
不人気色であっても高く売るコツを紹介するので、参考にしてみてください。
車のボディカラーで買取り査定額は変わる!
査定額が高いボディカラーは、中古車市場でも人気があるということです。逆にあまり人気のないボディカラーの車は、査定額が下がってしまいます。
査定額に差額が生じるのは「需要の違い」にあります。
需要が高い車は買い取ってもすぐに次に買い手が見つかるので、回転が速くなり利益を上げやすいでしょう。逆に不人気色は需要が低く、なかなか売れないことが多いです。
そのため、車のボディカラーは中古車査定で査定額を左右する重要なポイントになります。
ボディカラーによって査定額に差が生じるのは、中古車市場での需要が大きく関係しています。中古車市場で需要が高く、買い取ってすぐに売れる車は業者にとってもありがたい車だと言えます。
中古車販売は、利益を上乗せして買い取り再販しますが、どちらかというと薄利多売な要素が大きいです。買取額が安すぎると売れる車が買い取れず、売却代金が高いと売れにくくなります。そのため、仕入れた車を早く売り、買取販売台数を増やすことで利益を得ている業者が多いです。
売れる車はできる限り多く仕入れてすぐに売るということが、中古車販売では重要になってきます。そのためには、中古車市場で人気のあるボディカラーの車を多く仕入れる必要があります。
また、需要が多い人気色は、個人のみならず法人の需要もあります。法人だと一台ではなく数台まとめて売れるというメリットもあるでしょう。
法人需要も考慮しつつ、需要の高い人気色は多少色をつけてでも多く買い取りたいと業者は考えているのです。
同じメーカーの同じ車種で年式や走行距離などの条件もほぼ同じ場合、人気色と不人気色では査定額に差が生じます。もしこの2台を在庫として確保した場合、不人気車は長期に渡って保管しなければならない可能性が高いです。
在庫となると、保管場所や車のメンテナンスなどに費用がかかります。売るのが難しい車よりも、すぐに売れる車のほうが保管コストが安く済むことになるでしょう。
中古車販売店は、車を売ることで利益を得ています。売れない車の在庫を抱えすぎると、利益を得ることができないどころか経費ばかりかかってしまい、経営に影響を及ぼすリスクもあります。
そういった事情を考慮し、不人気色の買取り査定額がどうしても安くなってしまうのです。
査定額が高いボディカラーの人気色とは?
一般的に車種に関係なく人気のあるボディカラーは、「ホワイト」「ブラック」「シルバー」の3色だとされています。同じ車種であっても査定額が下がりにくく、中古車市場では安定した人気を誇ります。
ホワイトやブラックは、無難な色として道路や風景に馴染みやすいのが特徴です。年齢を問わず若い方から年配の方まで幅広い年齢層に好まれやすいです。
シルバーは、落ち着いた色合いなので、飽きにくく長く乗れるという点が人気の理由の一つです。
また、ブルーやパープルなども車種によっては人気のあるカラーだとされています。
車の色で一番人気があるのが「ホワイト」です。車の所有者の4割程度が選ぶというほどの人気色です。
ホワイトは、明るくて爽やか、清潔な印象がある色なので、年齢や性別を問わずに誰からも好まれやすい色だと言えるでしょう。中でも光感やツヤがあり高級なイメージがある「パールホワイト」は、根強い人気を誇っています。
その上、ホワイトは黄砂や花粉などの汚れが目立ちにくいというメリットもあります。ただし、ホコリや雨水、泥はねなどが乾いた後の水アカは目立ちやすいです。キレイな状態を維持するには、こまめな洗車が必要となります。
ホワイトに次いで多くのユーザーに選ばれているのが「ブラック」です。車の所有者の約2割弱が選ぶというほどの人気です。
ブラックは、高級感がありクールでかっこいい印象がありますが、年齢を問わず幅広い人気を集めています。中でも、セダンやスポーツカー、ハードなSUVなどを乗る男性に特に好まれやすい傾向があります。
ただし、ブラックは黄砂や花粉や泥はねなどの汚れや、こすり傷や線状のひっかき傷といった傷が目立ちやすいのがデメリットです。そのため、こまめに洗車してコーティングを施しておくと汚れや傷対策になります。
ホワイトやブラックの他にも人気なのが「シルバー」です。車の所有者の2割程度の方が選ぶとされています。
シルバーは、シックで控えめな上、落ち着いた色合いが特徴です。ブラック同様に車のフォルムによってはスポーティーで高級感のある印象を与えます。
中でもアルミなどの金属片を塗装に混ぜる「シルバーメタリック」は、かっこいい印象があって人気です。
逆に、車種によっては無難な色だとイメージされることもありますが、あまり目立ちたくないという方にはピッタリです。また、汚れや傷などが多少ついても目立ちにくいというメリットもあります。
車種によって人気があるのが「ブルー」や「パープル」です。軽自動車のカスタム系グレードやミニバンでのラインナップが多いので、中古車市場での値段も、定番色とさほど差額はないと言われています。
ブラックやホワイトなどの定番色ではなく、少し遊び心やトレンドを取り入れたいという方に選ばれる傾向にあります。
ブルーは、爽やかでスポーティーなイメージがある色です。スバルやホンダなどの自動車メーカーの車では定番色として扱われることもあって人気があります。
ブルーやパープルは、ブラックと同様に傷や汚れがつくと目立ちやすいという特徴があるので気をつけましょう。
自動車メーカーにおいて、ホワイト、ブラック、シルバーの定番色は基本的にどの車種においても根強い人気を誇ります。しかし、3色以外にも、自動車メーカーごとに人気が高い「メーカー定番色」というのが存在します。
例えば、「マツダはレッド」「ホンダやスバルはブルー」「スズキはイエロー」といった色です。
メーカーや該当する車種のファンが好んで購入する傾向が強いため、通常の定番色と同様に中古車市場でも一定の需要が期待でき、査定額が上がる場合もあります。
新車の購入を検討している方は、まず販売店に行ってカタログを見るというケースも多いでしょう。カタログのメインページに掲載されている車のボディカラーはカタログカラーと呼ばれていて、目を惹きやすく購入する方も多い傾向にあります。
このカタログカラーは、該当車種のイメージカラーになっていることが多いです。つまり、「この車種にはこの色」ということをアピールし、ユーザーの間で定着しているケースがほとんどです。
もしホワイトなどの定番色ではない目立つ色合いであっても、カタログカラーであれば人気が高いことが多く、査定額もプラスとなる可能性が大いに期待できます。
車のボディカラーは単色が一般的ですが、2色を配色しているのが「ツートンカラー」と呼ばれる色使いです。
ツートンカラーは配色の組み合わせによって、車の印象がガラリと変わります。抑えめな色同士をうまく組み合わせれば、オシャレで高級感のある雰囲気を演出することもできます。また、サイドミラーなどワンポイントをツートンカラーで配色するデザインも人気が高いです。
車種の中でも特に軽自動車やスポーツカーなどのツートンカラーは需要が高く、査定額が上がりやすいと言われています。
軽自動車に関しては、ツートンにビビッドカラーを用いてアクティブな印象を出したものがレジャー好きの若者に人気があります。また、パステルピンクやパステルグリーンなどの淡くて優しいカラーとクリームやホワイトの2色使いは特に女性の間で人気となっています。
ボディカラーの人気色は、中古車市場でも需要が低くなるということはないでしょう。そのため、ボディカラーだけで判断するなら査定額が急に下がるという心配はまずありません。
しかし、どんなに人気色や定番色であっても、車の年式が古い場合は要注意です。
年式が古いと、エンジンなどのパーツの劣化や消耗が見られます。それと同時に、塗装にも影響が及ぶ場合が多いです。
年月が経つにつれて、光沢が徐々に減って色褪せてしまう可能性があります。そうなると、いくら人気のある色でも見栄えが悪くなってしまうので、査定額のダウンは避けられません。
日頃からこまめに洗車してワックスをかける、コーティングするなどメンテナンスを行っていれば、年式が多少古くてもある程度の良い状態はキープできるでしょう。
また、紫外線があたるとどうしても塗装は劣化しやすいです。できれば屋根のある車庫に車を保管したほうが、外装はキレイな状態をキープしやすいです。
査定額が下がるボディカラーの不人気色とは?
車のボディカラーが不人気色の場合、査定額が下がってしまう傾向にあります。それは不人気色の場合、人によって好みが分かれてしまうので需要が低く、なかなか売れないケースがあるからです。
販売店は中古車を多く仕入れてすぐに売却し、回転率を上げることで利益を得ています。そのため、在庫を抱える期間が長ければ利益が減るだけではなく、車を管理するための費用を負担しなければなりません。その分が減益となってしまいます。
できる限りすぐに売れる車を求めるので、不人気色は買い取りでも敬遠されるのです。
中古車市場における不人気色は、やはり需要があまり高いと言えないので査定額が下がる可能性があります。
不人気色というのは、派手めのビビッドカラーと呼ばれる色です。具体的には「レッド」「イエロー」「グリーン」などが挙げられます。
中でも、オレンジやピンク系の色は好みがはっきり分かれるので査定でもシビアな結果となる場合が多いでしょう。
街中を走っているとかなり目立つので、近所では誰の車か特定されてしまいます。また、購入時は気に入っていても、長期間乗っていると飽きがきやすいのも敬遠される理由だと言えます。
通常はオプションとして装備するアクセサリやパーツを標準装備としたり、オプションにもないパーツなどを装備したりしている車を「特別仕様車」と呼びます。
自動車メーカーでは、販売期間や台数を限ってメーカーの目玉として特別仕様車を販売することがあります。特別仕様車ではオプションでも選べない限定カラーが施してあるケースも多く、車種によっては貴重なボディカラーと認識されることがあります。
購入時に限定カラーを使った車は、通常よりも高額です。ただし、中古車として売却する際は、市場の人気度によって査定額が上下するのが現状です。
希少価値があって需要が高いと判断されれば高額査定も期待できますが、逆にユーザー受けが悪いと限定色でも査定額が下がる可能性もあります。
車が不人気カラーなので、査定額が減額となってしまうから「定番色に塗装し直したい!」という方もいるかもしれません。
確かに、ボディカラーを変えれば査定額が上がる可能性はあります。しかし、再塗装となると少なく見積もっても10万円以上はかかります。再塗装前より10万円以上査定額がアップするかというと、そうではないのが現状です。
その上、純正カラー以外に再塗装すると「再塗装車」という評価になるので、査定額は下がってしまいます。さらなる下落が予想されるため、再塗装はやめたほうが良いでしょう。
不人気色を少しでも高く買い取ってもらうには?
自分の車が中古車市場における不人気色にあたる場合、査定額のダウンは仕方ないと諦めてしまう方もいるかもしれません。
しかし、ボディカラー以外の工夫により、多少なりとも不人気色の車を高く売るコツがあります。ここからは、その方法を3つ紹介します。
ボディカラーの定番色は万人受けするので、いつの時代でも中古車市場で一定の人気を保っています。
ただし、不人気色に関しては、トレンドに左右される場合もあるので一概には言えません。タイミングによっては中古車市場で需要があれば、査定額がさほど下がらない可能性もあり得ます。
一部の買取業者では、不人気色を理由として必要以上に安い査定額を提示するケースもあるので、注意が必要です。
一社の買取業者だけに査定を依頼すると、本当のその査定額が妥当なのか分からないものです。不人気色であっても、業者によって査定額に違いが生じる場合もあるかもしれません。
損をしないためにも、複数の業者に査定を依頼して査定額を比較してみることが大事です。
海外では「日本製の車は耐久性があり、故障しにくい」という理由から人気が高いです。
車のボディカラーにこだわらないという国もあり、不人気色でも査定額が下がらない場合もあります。また、国民性から逆に派手めな色が好まれるケースもあるでしょう。
買取業者の中には、海外に独自に販路をもつ業者もあります。買い取った車の大半を海外へ輸出してしまうので、国内の中古車市場の動向はあまり関係ありません。
海外市場に強い業者を探して、査定を依頼してみると良いでしょう。
中古車市場では、1年のうちに需要が一番高まるタイミングがあります。それは「1~3月の間」です。
4月から就職や進学で新生活を始める方が、移動手段として中古車を購入するため、中古車販売店は1~3月にかけて売るための中古車を在庫として多く仕入れようとします。不人気色であっても在庫を確保するため、あまり査定額を下げないで買い取ろうとする動きもあるでしょう。
この時期に買い取ってもらうことで、不人気色の査定額のダウンもある程度は阻止することができるかもしれません。